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明治17年夏場所7日目 (東京横濱毎日新聞/明治17.5.25)

・昨日回向院七日目の相撲は、梅ヶ谷大達の顔触れにより我も我もと押掛けたる観客はおよそ一万の上と見受けたり、当日は常に設けし桟敷の足らずして、なお三四段の桟敷を急に取り設けたり、また木戸は大入りに付き中入後客を止むるなど未曽有の景気にてありし。
・さて取組に移れば毛谷村勢力に、田上山八ツノ浦に、若湊取倉に、藤ノ戸獅子ヶ嶽に、兜山菊ヶ濱に勝。日下山萱田川は預り、早虎達ヶ関に、岩ノ里浦湊に、伊勢ノ濱千草山に勝。
・さて幕の内にて、荒飛鶴ヶ濱は「ハヅ」に構って押切りの勝。
高千穂武蔵潟は、「手車」より足に行き高千穂の勝はお利口お利口。
手柄山稲ノ花は、難なく「押切」りて手柄の勝。
柏戸千羽嶽は、「足クセ」にて柏戸の勝。
・さて其の次の取組は、近来の相撲なりとて府下は勿論近在近郷よりも夜を日に継いで来たりし観客少なからずと評判の、梅ヶ谷大達の顔触れなり、この行司は木村庄三郎にして片や梅ヶ谷こなた大達と名乗上ぐるや場の四方は梅ヶ谷と呼び大達と叫ぶ贔屓声は天地を動かすと云わんも実に誣言にはあらずかし、両力士は仕切も申し分なくイソホレ組まんと大手を広げて構えたり、さる程に梅ヶ谷は矢声と共に突掛かるを、大達も心得たりと難なく立ちて突掛けつつ右をの首にあてて「矢ハヅ」となし、この手に極めんとなす金剛力も、流石横綱の梅ヶ谷苦しき相撲をしのぎて後わかれて又も突掛けつつ大達はついに二本を差したり、さればも油断ならずと一心不乱に上よりして敵の両手を巻き殺し、また分かれて突張り、大達は左を敵の右と振り合いは左に大達の右手首を握り、仁王立ちにて水となりしは云うまでもなき大相撲、其の後も此の手に取組みしが大事の相撲と双方が軽はづみせぬ心中を察せば、覚えず腋下に汗を流すなど好きの道とて観客が気づかう間にも両力士或いは押され或いは押し、素人の見る目にはちょっと梅ヶ谷が受け手の様に見えしならんがさにあらず、土俵と云い気力と云い大達の方始終負けたりしも、ややありて大達が突張り出るその時に梅ヶ谷は東の土俵に近付きしを大達は付け入り左を差さんとしたり、差させてならじと梅関がイヤダと左へ逃げる折しも大達は右を敵の左脇に構い力に任せて突張れば、は二足後づさり東溜りへ尻餅つきて見事大達の勝となり、団扇の上がるや場内は割れ返るばかりの喝采にて四本柱も動く様なりしは果たして近来稀なる相撲なりき。ちなみに云う、大達は真実左を差すにあらず、こは一時の謀計にして左を差すの振りをなせば相手がイヤダと防ぐは相撲の当然、が左に逃げんとして体の浮きたる其のはづみを大達が右にて敵の左脇を突きて勝を得たるものなり。
清見潟綾浪は「一本ジョイ」にて綾浪の勝は妙々。
常陸山入間川は「押切」て常陸山の勝。
廣ノ海は「パッタリ」にて釣出しの勝。
上ヶ汐海山は「蹴返シ」て上ヶ汐の勝も宜し。
鞆ノ平一ノ矢は休。大鳴門高見山は「左四ツ」にて上手引き「寄」て大鳴門の勝。
剣山西ノ海は「左四ツ」となりしが結句が上手を引き得手に行かんと思いきや「スクイ投」て西ノ海の勝これまた美事なりし。

・また昨日は東上げ桟敷の一段が落ちるなど又一際の騒動なりしという。

来ました一万人。しかし記者の目分量のようですから実際にはどれくらいかハッキリしませんが・・・普段の超満員の倍は来ていると見えたのでしょう。詰め込み過ぎて床が抜けたり桟敷を増設したりと大変な騒ぎです。梅ヶ谷は明治14年に若島に敗れ58連勝でストップ、その後はまた黒星知らずで35連勝まで来ています。大達との相撲内容は力相撲の末に完敗とも言えるでしょうか、2月に横綱免許を受けた梅ヶ谷は横綱として黒星を取るようなことがあれば引退すべきと考えていて、この時点で引退を決意したともいわれます。歴史の変わり目には世代交代の大一番が常にあるものですが、これもその一つと言えるでしょう。

明治17年夏場所星取表
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テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

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