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明治32年春場所五日目 (朝日新聞/明治32.1.13)

○回向院大相撲
・昨十二日(五日目)は、朝来雪を催すべき空合なりしが、ようやくに持直したると好角家の希望する好取組の多かりしかば各桟敷とも前夜より悉皆売り切れ午前十時頃には立錐の余地なく大入り客止めの好景気なりし。
怪力藤見嶽は、出鼻を引掛け腰投げを打ちしが、己れと跡流れての勝。
濱湊達ノ里は、立ち上り上手投げにての勝は未来の荒岩と称するも可なり。
平岩小緑は、左四ツ投げの打返しにての勝。
霧島小石崎は、左筈にて寄るをは右差しにて寄り返す勢いに危くウッチャりたるが、の体は先に落ちしと物言い付きて預り。
磯千鳥駒勇は、の右を巻き左は互いに前袋を引きて引落さんとするも、劣らぬ業ものなればよく防ぎて勝負付かず遂に引分は大相撲にて、観客より分けろの声さえ掛りたり。
梅林千田川は、左四ツに寄っての勝。
西郷浪花崎は、西右差して押し切り西の勝。
尼ヶ崎若木野は、苦なく突き出しての勝。
岩戸川小西川は、突き合いのハタキ見事に決まりて小西ヘタバル。
高千穂荒雲は、矢筈に寄り進むをは土俵の詰めにて一寸耐え捨て身を打ちたるが、の体早く落ちしとてに団扇の上りしがはウッチャりしと物言い付けて預りとなる。
利根川待乳山は、二本を差しは右下手横ミツを取り左を殺して挑みしが、の下手には仕掛くる術なくは分を待つ如く中央に立ちたるままにて引分は面白からぬ取り口なり。
淀川橋立は、右四ツにては廻りて押し詰めんとせしが、はもたれ込んで勝を占む。
鳴瀬川鳴門龍は、突き合い激しく鳴瀬鳴門の出鼻をハタキて鳴門は両手をつく。
金山淡路洋は手先の競り合い、の出鼻をハジキたればの腰砕けて脆くもの負け。
嶽ノ越は、突合いの出鼻をハタキしよりの足流れての負け、の出来は大喝采。
松ノ風高ノ戸は、左四ツにてひと押しに寄るをは引落さんとするも余地なく、より釣り身に来られて他に術なく内掛けにて巻き落さんとするも、の伸びにて浴びせられての負けは是非もなし。
天ツ風鬼鹿毛は、左四ツにて二度首投げを打ちしが天ツ残して渡し込み天ツの勝はまづ上出来。
稲川八剣は、の立ち後れを付け入り突き出しての勝は実地の力量にはあらねどの働きなり。
頂キ小松山は、立ち上りはハタキての出直す鼻を付け入り左差しの右筈にて押倒し、小松の勝は近頃珍らし。
越ヶ嶽不知火は、左四ツに組み不知は右上手を取りは右を絞りて寄らんとすれば、不知は足癖を試みて挑むうちに相四ツとなり、釣れども効かず水入りとなり、のち必死と挑みしも勝負付かずして引分は大相撲。
大見崎當り矢は、突き立ての懐に入らんとするをハタキたるが残して出直るを、は付け入り右を差し左を前袋に当てて寄り切りの勝は興味ありし。
外ノ海松ヶ関は、のマッタ数回ののちようやく立ち上り、二三の突合いにては突かれて脆くも腰を抜かしたり。
源氏山横車は、左四ツより相四ツとなり、の釣りをは耐え釣り返しての耐えるを一寸外掛に左手にてあごを突きて出したる業は余裕あって他に類なし。
常陸山大砲は、当日第一位の呼びものなれば場内どよめき渡りてしばし鳴りも止まざる中に、両力士は互いに化粧立ち数回にて念入りに立ち上り、は左を当て右下手に前袋を取り、は左上手に横ミツを取り左を巻きて投げを打たんとすれど、は動かずやがては左の巻き手を伸ばして後ろミツを取り、引寄せ釣らんとするも突張りて働かせず、水となりのち勝負付かずして引分は実に大相撲にてありしが、疲れは四分、六分の割に見えたり。
朝汐谷ノ音は、左四ツにて挑みより寄って打ちたる下手投げ決まりての勝は見事。
小錦海山は、立ち上り得意の合掌にて捻らんとする間には引上げもたれ込んでの勝ちなるが、今少し遅かりせば捨て身で勝つべき色見えし。

五日目です。この時期の記事には幕下の相撲がかなり紹介されていて貴重なのですが、中入後の上位戦などが欄外に追いやられて読めないのは残念です。記事の締め切り時刻の都合などもあったのでしょうから仕方ありません。さて取組は幕尻張出の天津風(あまつかぜ)が渡し込みで勝って3連勝。十両落ち寸前の地位ですから頑張って勝ち越さなければなりません。稲川は立ち合いに失敗して十両の八剣(やつるぎ)に突き出され3敗目。稲川はのちに三役に上がって活躍する力士なのですが、この頃はまだあまり強さを感じません。大一番は常陸山vs大砲、新入幕ながらすでにスター力士となって勝ち進む常陸山と、規格外の巨体と怪力ですべて押し潰す大砲、これは注目ですが結果は引き分け。さすがの常陸山も攻め手なく、大砲もまるで現代の把瑠都のような肩越しの吊り上げまで見せる熱戦でした。

明治32年春場所星取表
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【2013/02/19 21:51】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
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