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明治15年春場所4日目 (東京横濱毎日新聞/明治15.1.18)

・昨日回向院四日目の相撲は好天気だけに至極の上景気、見物はほとんど五千に及びたりと。
・その勝負の面白きものを記さんに、稲川西ノ海は立合申し分なく、西ノ海は例の通り相手の左を一本引張り込み此の手を抱えて十分相手の体を振りくつろげ、グッと寄りて西ノ海の勝となりしはいつもながら驚くべき腕力なり。
達ヶ関浦風は花やかに立合い「左四ツ」となりて揉合いしに、浦風は右手を伸ばしあわや廻しを取らんと見えしが、さはなくて相手の内腿へ手を掛け相手の差し手を引きしに、達ヶ関の体は仰向けに覆り見事に浦風の勝となりしは是れ「片ムソウ」の手とは知られたり。
鞆ノ平柏戸は、どちらも元気の若手なれば十分の気合にて立合い、かたみに力声を合せて刎合い、ヤッと言いざま「左四ツ」となると鞆ノ平はすかさず寄りて押し切り、鞆ノ平の勝。
桐山(荒角改)手柄山は穏やかに立合い手と手にて渡り、しばしが間は頭を合せて押し合い、手柄山はヤッと言いざま「テグルマ」にて組みたる手をほどき、速くも左を差し其のまま「アビセコミ」て手柄山の勝。
司天龍高千穂は、立合に高千穂は少し後れて見えしが、司天龍は始終先手となり烈しく「テッポウ」を突き出だすにぞ高千穂は一足も堪まらず踏み切りて司天龍の勝。
・(以下中入後)大達立田野は双方売出しの力士、わけて大達は未だ土付かずの若相撲なれば花々しく立合いしが、大達は右を差すと其のまま一杯に押し切り、立田野は其れにて一溜まりもなく踏み切り大達の勝。
井筒勝ノ浦は立合申し分なく、勝ノ浦は一声叫んで右を差すと其のまま付け入りて「アビセ」込み勝ノ浦の勝。
出来山荒虎は勢よく立合い、出来山は二本差して一杯に寄るを、荒虎は既に土俵際まで押されて上手より振り廻さんとして腰を折り、出来山の勝となれり。
千羽ヶ嶽関ノ戸はゆるゆると立合い、千羽ヶ嶽が左を差せしを、関ノ戸はこの手を巻きて組まんとする機に千羽ヶ嶽は差し手を抜き体を引きしに、関ノ戸は砂に手を突き千羽ヶ嶽の勝ちたるは「カタスカセ」という手なり。
緋縅若島は諸人待ちかねの勝負なれば見物はどよめき渡り、やがて仕切りも立派に立合いしが、若島は左を差したるにぞ何かは猶予のあるべき、其のまま押し切りて「アビセコミ」若島の勝ちと見えしが、西方の溜まりに控えし高見山千羽ヶ嶽若島の足が出たりとて物言いを付けたり、其の時見物は早や相撲も終わりたれば皆な立ちて土俵の方を窺いて若島を褒むるあり緋縅を罵るあり、一時は中々の騒ぎなりしが、年寄中総出にて双方をなだめ若島が既に名乗を受けて支度部屋へ帰りたるを呼来り、ついに預となりて事済みたり。

西ノ海得意の泉川が出たようです。相手の片腕を抱えこんで、きめながら出ていくわけですが力の強い力士にやられると相手はイヤだったでしょうね。西ノ海は東京相撲の本場所ではまだ登場して3日目ですが、すでにおなじみのようになっています。本場所以外の東西合併興行などで東京の土俵に登場していたことがあるのかも知れません。今場所は西大関の梅ヶ谷が休場しており、東大関の若島は先場所に引き続き精彩を欠いています。若手力士に場所を引っ張っていく役割が期待されるところでしょう。

明治15年春場所星取表
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テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2006/07/14 22:11】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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