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明治23年春場所7日目 (毎日新聞/明治23.1.14)

○回向院大相撲
・一昨七日目は午前十一時頃より風立ちしも気候すこぶる緩みて暖かく、日曜の上に小錦若湊の顔触れなれば相撲の繁昌は実に近年まれなる大景気にて、午後二時頃は客止の札を出し空しく木戸より帰りし者数百人あり、臨時に桟敷を架けるなど中々の雑踏なる内に見受けしは徳川公、蜂須賀侯、池田侯、吉田枢密顧問官、吉井宮内次官、芳川内務次官等なり。
泉瀧大纒は、左四ツは上手を引いて引寄せ釣らんとする様子なれば、は右をハヅに当て腰を落しヨラんと互に競り合ううち、水入りたればなお取結び其の局を見んと思いしに、卑怯にもは痛所あれば此のまま引分になしたしとて更に土俵に上る様子見えざるより、四本柱の年寄が種々談判せし後、ついにの言情立たずして再び前の如くつがいたれば満場喧しく鳴りも止まざるうち、は敵の前袋を右手にて掴み引寄せ釣らんとせし所、早くも年寄は行司に令して引分となしたるに、はすこぶる不本意にてしばらく土俵を下りず、且つ観客もかくは不可思議なる年寄の指図なり、に下ルナと云う声四方に溢れしが是非なく引分となりたり、が勝気になりて仕掛けんとする所を無残に引分とせしはの遺憾は更なり観客に不満足を与えたるは相撲社会の不利益なるべし。
大泉出羽ノ海は、数回化粧立のうえ大泉は手早く二本差しとなりしを、出羽は防ぐ間なく難なく釣出して大泉の勝。
達ノ矢知恵ノ矢は、右四ツは引寄セ釣り身となりしに、は得たりと得意の足クセ巻き倒さんとせし時、同体落ちしが仕掛けし相撲なり且つ体もが遅れて落ちたれば団扇は知恵ノ矢に上りしも、物言い付て預り。
楯甲今泉は、左差しヨリ切りて今泉の勝。
司天竜綾浪は、無造作に立上り二本差しで遮二無二押し切らんと攻行くを、は体を変じて防がんとせしも敵が鋭く攻め来るゆえ詮術なく右を引張り泉川となりしうち、すでに危くなりしかば此処ぞと見事ウッチャッて綾浪の勝なりしに、如何しけん又々物言いありて預りとはなりぬ。
海山芳ノ山は、右四ツにつがいは難なく攻行くを、土俵際にて棄て身となり芳ノ山の勝。
朝汐嵐山は、立上りは左差し敵の差し手を右にて巻き頭部を胸板にアテ、下手に動かばヅブネリに投げんと構えたり、は上より押さえ勝手悪しと金剛力にてこれを跳ね解き、左四ツとなるやいなは差し手を引抜き泉川に絞り畳みかけて攻付るを、は防ぐ術なく極め出して嵐山の勝なりしが、が差手を引抜き泉川となり畳みかけし時の早きこと電光石火、実に瞬時の働きなりし。
小錦若湊は観客の待ち設けたる角觝なれば力士の土俵に出ると等しく小錦と声援を掛るあり或いは若湊と叫ぶありて喧擾一方ならざりしが、さて力士は丁寧に仕切り立上りは例の突張りに行きしをはかねてこれを知るものから敵の突出す鉄砲と同時に一歩斜めに避けしかばは仕損じたりとなお付入らんと体を延ばしたるを、ハタキながら土俵を割りて小錦の勝は満場にわかに喧しく帽子羽織の飛び来りし事なかなか多かりし。
北海響矢は、突合い右差し小手投げにて北海の勝。
春日野若ノ川は、春日敵の左差しを泉川に極め余りソリ身となりしゆえアビセ掛けて若ノ川の勝。
大蛇潟真鶴は左四ツ、スクイ投げにて真鶴の勝は是非なし。
大達瀧ノ音は、得意にて突張りこれを跳ね返したるも敵は進んで来りければ逃げナガラ引落さんとせしも、付入り押出して瀧ノ音の勝は立派。
谷ノ音響舛は、力士が土俵に上ると好角家はいづれもソレ響ダゾ、マッタ博士ダゾ暫時は煙草でも飲むべしとスパスパ吸い居たるが、力士は仕切るや一回もマッタなしで右四ツにつがいたり、かくは珍しき事なりと不思議に思ううちは金剛力にてヨリ行かんと攻付け、すでに土俵際に至りアワヤは敗を取りしかと思ううち、見事ウッチャリたるに行司は団扇を谷ノ音に上げたるより一場の紛議となり、暫時の間東西に年寄奔走し談判ののち預りとなりしが、星は響舛の方なりと云えばの勝なるべし、或る人は響舛立合には他力士三人位の時間を費やすに今日は珍しく化粧立ち一回もなく立ちしゆえムダに時間を費やさざるべしと思いしが、苦情のためかえって常より時間を徒費したればヤハリ相変わらずがヨイと見える、と呟き居りし。
大鳴門八幡山は左四ツにつがい、鳴門は引寄せ釣らんとするに八幡は体を落しこれを防いで下手投げを打ち互いに競い、水入りしのち釣合い或いは投げの打ち合い大相撲となりしが取疲れて引分。
西ノ海真力は、立上り左を引張り込み泉川極出して西ノ海の勝にて打出したり。

久しぶりに痛み分けを主張する力士が出ましたが、却下されたあとで強引な引き分け判定、まったく明治の判定というのは不透明です(;・ω・)この日はずいぶんと物言いの多い日でした。大達は十両力士に敗れてそのショックのせいか翌日から休場してしまいます。この十両滝ノ音(たきのおと)はのちに大阪相撲で八陣(はちじん)と名乗って横綱になる力士です。ただし吉田司家公認でないため現在の歴代横綱には数えられていません。
東十両5・滝ノ音調五郎

明治23年春場所星取表
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テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/06/04 21:17】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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