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明治30年夏場所4日目 (東京朝日新聞/明治30.5.20)

○回向院大相撲
・昨日(四日目)は貴顕紳士その他二三連中の見物ありて非常の大入を占めたり。
鬼龍山常陸山は、常陸立ち後れしにもかまわずサア来いと受け耐えての右を殺し左差にて牛蒡抜きに持ち出したり、力量恐るべきものあり。
岩戸川は、左相四ツにてが釣出したり。
御舟潟玉風は、御舟が右差しに行くをは右矢筈にて押切らんとするより、御舟はほどいて更に付け入らんと狙い、が右差しに仕替える際引落さんと引きたるに、はこれにまかせて押寄り来り、双方の力にて御舟は腰砕けたり。
鶴ヶ濱稲瀬川は、マッタ数遍ようやく立上り突合いの一手にてはたちまち突き出されたり。
梅ノ谷高見山は、立上るや手四ツにて少時挑みしがは手早く左差しを入れて難なく押倒したり。
狭布里大纒は、左相四ツに組みより内掛けを打てばはこれを防ぎ、後またも引投げを打たんとするをは手がたく防ぎ、双方とも土俵の中央一尺とは動かず疲れて水となり、のち競り合いにて引分は骨の折れた割に面白味なし。
小松山玉龍は相四ツにて小松より四度投げを打ちしがは体を引いてよく防ぎ、小松は再び寄り身に行くをはここを先途と防ぎしため、その疲れ満身の汗にあらわれたり、水入てのち再びつがい今度は小松が右上手に差替え釣身に行くも極まらず、遂に引分。
鬼鹿毛黒岩は、一寸突合いは左を差し右の外掛にてもたれ込みたり。
小天龍源氏山は、突きと手四ツにて競り合いやがて左相四ツとなり、右を殺し合いて小天より腰車を打てばは小手投に行きしも共に極まらず、水入後は左差しにて押切りの勝は大相撲にて小天の負も恥かしからず。
大砲當り矢は、の突きをは危うく残しての左筈を巻き左を殺して押合いしのち、は全身の力にて押切りぬ。
荒岩朝汐は当日中の好取組みにて満場喝采の内に両力士は土俵に上り、双方念入りに仕切りて立上るやは左四ツには左を差し外掛に行きしも極らず、再び右の前袋を取りて引落さんとする時、の腰砕けての勝は大相撲なりし。
大戸平逆鉾は、の左筈にて前袋を取り寄り行くを、大戸の左を撓めて押さんとしたれども、この時早くもは外枠にて押切りたり、この相撲関以上には見栄えなし。
鳳凰越ヶ嶽は、の左肩へ手を当てしのみにて寄切りの勝は飽気なし、この勢いにては恐らくの手に立つものは無からん。

幕下の相撲、常陸山(ひたちやま)の取組がピックアップされています。師匠の現役名を継いだ常陸山、言わずと知れた後の大横綱ですが、その強さは目立っていたのでしょう。梅ノ谷は新入幕高見山を難なく倒して全勝。躍進する次代の主役達の中では一足先に上位進出の荒岩、朝汐に挑戦しましたが体格負けでしょうか、技をかけ損ねて黒星。逆鉾は大戸平を速攻で破り3勝目、関以上には見栄えなし、とは並の関取以上の良さが見られなかったという意味でしょうか。鳳凰は圧勝で4連勝、無敵の様子です。

明治30年夏場所星取表
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テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2009/07/21 18:28】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治30年夏場所3日目 (東京朝日新聞/明治30.5.19)

○回向院大相撲
・昨日(三日目)は朝来曇天なりしも柳派落語家ほか二三連中の見物もありて中々の大入なりし。
金山淡路洋は、突き合いたる後突張ての勝。
八剣最上山は、左四ツの釣にての勝は順当なり。
鉞り境嶽は、の左を撓めつつ寄り出さんとする時、はほどいて突放し、更に再び突きしがためは土俵の外へ出でたり。
雷ノ音松ノ風は、の左差しをは巻いて防ぎしも、注文悪しと差し替えるとたん突出されての負。
熊ヶ嶽鶴ノ音は、の出端を突いて突いて突き出したり。
笹島稲瀬川は、立上るや互いに付入らんとすれど互角にて極らず、のちがはたくをは残って付入り遂に勝を制したり。
鳴門龍勝平は、の両差しをはほどいて右差しに行き、手早く左を外がけに巻き倒さんとしたる甲斐もなく、の体量に押潰されしは小粒の損なり。
高見山若島は、左相四ツとなりは釣出さんと寄り、は寄られながら土俵の端にて甘くもこれを上手にうッちゃり見事なる勝を占めたり。
梅ノ谷横車は、の左差しで寄るをは右差しで廻り込み左足を一寸とかけて浴びせたればは腰くだけて倒れたり、この手は大乗掛けとての新手なり。
玉龍唐辛は、双方手なしの相撲にては只左差しにて押寄せるを、は詰めにて捨身のつりが外れ踏切たり。
岩木野鬼ヶ谷は、の無二無三に付入るをは防ぎ切れずして踏切りぬ。
松ヶ関小天龍は突きと殺しの競争にて、さながら子供のセリ合いの如くなりしが、難なく寄られて小天の負。
逆鉾不知火は、不知の出鼻を一本背負にきめんとするを、は危うく残て肩口より身体を滑らして廻り込み、不知の左を取てトッタリに行き見事に勝たり。
越ヶ嶽谷ノ音は、が右筈の左差しにて足くせを防げばは諸の上手にてつめを取り引寄せんとすれども動かず、水入りてのち内掛に行き遂に勝たり。
若湊天津風は、が相手の出鼻を引落さんとはたきたれど、天津は残って直ぐにの左を泉川に撓め直さんと寄り行くを、は寄返してそのまま委せて寄切りぬ。
外ノ海海山は、が合掌に行くをは突放して押切らんとし、は左足を割込み投げを打たんとする時、は早くも一寸足をかけ右手に巻きつつ寄り倒したり、これの力量優れし所なるべし。
小錦高浪は、の出来よき所なればも念入りに仕切り、立上るやは得意の突手に行くを、は引張て相手を前ヘズルズルと落とさんとせしが、流石は老練は早くも廻り込んで体をまかせ、は土俵を割って負となりぬ、この相撲の機敏はいうまでもなけれど大関としては軽挙なりという人もありし。

新十両で4枚目に躍進してきた稲瀬川(いなせがわ)はすでに32歳ですが急速に力をつけた感があり3連勝。十両筆頭の梅ノ谷も体格を生かした新技?で3連勝。小兵の逆鉾は相手の一本背負いをかわして取ったりで返す、見事な技術を見せました。2日続けて人気力士を倒して調子付く高浪は横綱に挑戦。引き技を見せましたが決まらず、一気の攻めに敗退しました。小錦の地位は大関横綱と言われるもので大関と横綱を兼任しているわけですが、当時まだ横綱が大関より一段上の地位という認識はあまり浸透していないと思われます。

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【2009/07/07 22:11】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
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