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明治25年夏場所千秋楽 (毎日新聞/明治25.6.28)

・昨日十日目の同相撲は、降雨のため観客も至って少かりし。
雷山藤ノ嶽は、左四ツ蹴返しての勝。
小松山鳳凰は、左合四ツにつがい互いに撓め合い水入りてのち一寸と揉合い引分。
高千穂千代ヶ崎は、左四ツヤグラ投げで高千穂の勝。
勝平越ヶ嶽は、突合い一寸引落しに行きしが残り、突張り合い水入りてのち右上手下手となり揉み合いしが、果しなければ引分。
音羽山柏森も、左四ツ水入りてのち睨み合い引分。
・是より三役、當り矢松ヶ関は送り出シて松ヶ関の勝。
小天龍大碇は、押切りて大碇の勝。
唐辛高浪は釣出して高浪の勝、この時五月野は弓取を演じ千秋楽の相撲を終わりたり。

○相撲場の困難
・昨日十日目の相撲は降雨烈しかりしも、流石に天幕なれば初めの程は毫も意に介せざりしが、天幕の不完全なるゆえにや午後二時頃よりにわかに場内に漏れ来りしため観客はここかしこと雨を避けてありしが、果ては避くる所もなくいづれも布団ケット又は傘等をかざしてこれを凌がんとすれば、後ろより邪魔だと怒られ観客の困難は実に非常なりし。
○横浜の大相撲
西ノ海剣山小錦八幡山の一行は明二十九日より晴天七日間同市足曳町に於いて興行する由。

千秋楽は十両以下の取組なので観客が減るのも仕方ない所です。勝ち越し同士の対戦でやや引き分けが目立つ感がありますが、以前少し問題になったように給金アップ額をキープしたいために無理に勝負に行かなかった部分があったのかも知れませんね。雨よけテントはまだ使っているようですが、ちょっとした雨ならともかく大雨となると難しいようです。

明治25年夏場所星取表
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【2007/10/30 17:48】 | 大相撲 | コメント(2) | page top↑
明治25年夏場所9日目 (毎日新聞/明治25.6.28)

○回向院の大相撲
・一昨九日目の日曜は午前の内は兎角観客の足取り悪かりしが、午後一時頃より客足繁く二時頃に至りてはほとんど場内余地なき有様にて、例により徳川近衛の二公、渡辺貴族院議員その他の方々を見受けたり。
響矢大碇は、毎度ながら活発に突掛けはこれを受けてヨリ戻し、しばらく突合い居たるがは大喝一声右手を敵の胸部を目掛け突掛けしが、滑りながら丁寧にも一ツブン廻りて転々大碇の勝は満場哄笑、愛嬌愛嬌。
知恵ノ矢外ノ海は、釣出して外ノ海勝。
高ノ戸高浪は、左差しで高浪ヨリ来るを高ノ戸はこれを引張り棄て身に行きしが、ヨリ倒して高浪の勝。
大達鬼鹿毛は、立合に蹴タグリしが敵の体量重く残りしかば今度は左差しとなりしも、難なく釣り出して大達の勝。
平ノ戸出羽ノ海は、出羽右差しで攻めんとするを挟み付け小手ナゲでの勝は当場所初めての勝なれば同力士の喜びさこそさこそ。
達ノ矢谷ノ音は、右四ツにつがい互いに睨合いしがは一寸とヒネり残りて引付けキザミに進みつつヨリ来るを、は一杯に棄てんとせしを足クセモタレ込んでの勝は巧みに敵の手段を看破したるところ実に感服、時に三役の候補者と賞賛せし人あり。
勝平藤ノ嶽は、いづれも技量ある力士なればその取り具合いと面白き事ならんと好角家は当日第二流取組のうちに加えたり、さて立上るや右四ツにつがいの出鼻を巻き落して勝平の勝は、余り呆気なき事にて満場大失望。
大蛇潟音羽山は、立合に立ち後れたるもイサイ構わず無頓着に立上り、大蛇は得たりと二本あてて付入るをあとスサリつつ引落さんとして残りたるを、大蛇踏込みて付け入るを土俵際で防ぎ二本差しとなりてヨリ返し、一寸撓め合う姿なりしが大蛇は左差しヨラんと押し来るにの体少しく浮足となりしを、大蛇釣り出さんとせしに砕けかかりたる体を流しつつ押出しての勝は大出来大出来。
鳳凰大泉は、左差しでヨリ身となり、は得意のウッチャリでもと思いしものか敵の差し手を引張りて押さるるままに逡巡せり、しかるにもさるもの、かねてに棄て身ありと知るより毫もすかさず踏込んでヨリ切り鳳凰の勝、呆然として我が手段の行われざるを歎息せし体なり。
大纒千年川は、右四ツヨリ切りて千年川の勝。
今泉大炮は、左差しで体をハスに構えヨリ身となり、はこれを絞りて挑み合ううちは遮二無二ヨリ切らんと攻め来ればは何と思いしか小手ナゲを打ちしが極まらずしてかえって浮足となりしを、得たりと蹴返して今泉の勝、鳴呼大炮の大胆なるおよそナゲを打たんには第一腰を入れてなさざれば決して極まらざるものなりと聞く(もっともハヅミたる時は格別)、しかるにが小手ナゲを打ちし時は敵の差し手を浅く挟み相互の腰部およそ三四尺も離れ居るにも拘わらずナゲをウツとは、実に投の法を知らざるもまた甚だしというべし。
司天龍朝汐は、司天立合に左差しにて踏込む途端、一寸突落さんとせしが残りてこれを挟み付けヨリ切りて朝汐の勝。
小錦大戸平は、双方とも土付かずの上に小錦は当時向かうに敵なきの力士、大戸平は力量と云い仕業と云い追ッ付け大関たるの値打ちあり、殊に双方とも素早き取り方なればこの両力士の取組実に当興行中第一の大相撲たるべしとて初日以前より好角家の待ち設けたる取組なれば、力士が土俵に上ると等しく各贔屓の人々はいづれも小錦と呼び大戸平と叫ぶ援声は轟々として場外に溢れたり、さて両力士は無造作に立上りは左差しで付け入るを、はヨリ返しつつこれを挟まんと挑みしが、早くも二本差しとなりて勢い鋭く攻め来れば、は敵の差し手を諸々に絞らんと仕掛けたれど、はイヤダとヨリながら腰を落してアビセ突放しての勝は非常の早業、満場大喝采にて打出したり。

東西の土付かず同士、小錦と大戸平の頂上決戦は小錦が速攻で制して幕内最優秀成績を収めました。三役力士の休場が多い場所でしたが、出場している力士が奮闘して穴を埋めました。朝汐・達ノ矢の好成績も目を引きますが、一方で東西の実力の不均衡もやや表れた場所でした。元大関の一ノ矢・剣山はこのまま引退、世代交代の時期が来た感じです。

明治25年夏場所星取表

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【2007/10/27 16:24】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所8日目 (毎日新聞/明治25.6.26)

○回向院の大相撲
・霖雨のため久しく休業せし同相撲は昨日八日目を取結びたるが、当日は達ノ矢鳳凰及び西ノ海大戸平の取組あればと足取りよく徳川、近衛の二公をはじめ水野衆議院書記官長等をも見受けたりし。
音羽山勝平は、立合いに付入りて突き廻したるに、は聞こえし巧者なれば土俵を割りて逃げたるもすかさず突出して音羽山の勝、その早きこと電光閃々、実に当時幕下力士中音羽をおきて他に見ざるなり。
鬼鹿毛外ノ海は、左差しは上より挟み敵が攻め来るを待ちて小手ナゲを打ち、残しまた付入るを足クセにて防ぎしもは無遠慮に攻め寄せるをウッチャリての勝、時に自分は敵に踏切ありと主張し溜りの大泉は沈黙、検査役八角は見事にの勝なりとてに相撲の顛末を解き、しかして苦情の成り立たざる旨を説明するといえども容易に諾せざりしが、などの説諭に悄然と土俵を下りしは見悪き事なりし、およそ力士が土俵にありて觝う時は双龍珠を競う場合なれば自身には踏切などの判別し能わざるものなり、もしこれを判するとすれば角觝に不熱心か或いは数十等以下の力士と觝う時ぞかし云々と溜りでの評。
大泉高浪は、左差しヨリ来るところ見事棄て身で大泉の勝、しかるに又々苦情ありて預り、但し星は大泉の方なり。
大炮大蛇潟は、立合に大蛇突掛け行くを押し戻し付入るところを敵堪えたればヒネリを見せ、付込みて押し切り大炮の勝は久々の事なりし。
平ノ戸千年川は、右差しヨリ切りて千年川の勝。
鞆ノ平朝汐は、右差し左手で小手ナゲを打ちしが、ヨリ倒して朝汐の勝。
谷ノ音小錦はかねては観客の望む顔合せなれども、如何せんは当場所に於いてすこぶる不出来なれば何んとなく人気引き立たざりき、さて力士は立上ると等しく左四ツにつがうやいなは例の足クセでソリを打ちしにはすかさず切返して同体流れて預りはよし。
大纒高ノ戸は、左差しヨリ行くを体を廻して挑みたり、時に行司は力士を東西に離したり、満場如何なるわけなるかと不審の晴れざりしに行司は高ノ戸に団扇を上げしに、観客はいよいよ不可思議の次第と思いたるが、全く觝ううちに踏切りありと高砂は云えり。
響矢今泉は、左差しヨリ倒さんとせし時アワヤ引張り込んで撓めツツ棄て身となりてに突き手あり、物言い起こりて預り。
司天龍大達は、立上りは勢い鋭く突掛け来りたり、はヨイショと受けツツ体を斜に振り出して大達の勝は近来の見物立派立派。
知恵ノ矢出羽ノ海は、右差し釣出して出羽ノ海の勝。
鳳凰達ノ矢は満場の拍手に迎えられたり、両力士は無造作に立上り左四ツにつがいは上手を引て敵の仕掛け来るを待つ有様なり、鳳凰は七日目まで勝ち通したればドウデモ今日こそに勝たざれば出世の妨げともなるべしとて容易に觝う体もなかりしが、は巧みに一寸と挑みしには此所ぞと勢い込んで出で来る途端、得たりと出しナゲでの勝は賭師の失敗。
西ノ海大戸平は、かねて待ち設けし角觝なれば観客はいづれも固唾を呑んで勝負如何と思ううち、力士は丁寧に仕切り立上りは二本差しとなりてヨラんとするを、西はこれを諸に絞りヨセ返して撓め出さんとアセレどは満身の力を込めてこれを防ぎつつかえってヨリ切らんと土俵際まで攻め来れば、西も全身の力量を出してこれを防ぎて小手ナゲを打ちしが、敵は奮迅の勢いにて攻来るより流石西の体もシドロとなりしを、得たりと付入り見事ヨリ倒して大戸平の勝にて打出したり、時に満場の拍手喝采は破るるばかりにて、布団など飛び来たり中々の喧擾なりし。

悪天候で日数がずいぶん空いてしまいました。昨年導入の雨よけテントはどうなってしまったのでしょう。新十両の鳳凰、地位は7枚目ながら前日まで全勝を見せてこの日は何と前頭3枚目の達ノ矢との対戦、なかなか珍しい事です。先場所は大炮を止めた達ノ矢、鳳凰も破り幕内の実力者としての面目を施しました。西方は負け越し力士揃いですが、この日は唯一の好調者大戸平が西ノ海を破り、谷ノ音も小錦と同体に持ち込み、三役の意地を見せてくれました。

明治25年夏場所星取表

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【2007/10/25 19:44】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所7日目 (毎日新聞/明治25.6.14)

・昨日七日目は相変わらずの上景気にてありし。
高ノ戸大碇は、立上り敵の諸手をサラウと同時に突入りければ大碇は少しく狼狽の体なりしが、体を斜に避けて逃げ廻りしをは逃がさじものと追い行きヨリ切らんとするを、廻し込んで右差しヨリて大碇の勝はあっぱれあっぱれ。
大纒大達は、立上りざまは敵の頬をシタタカに打ちたり、しかるに傲慢なる大達なればイカデこれを怒すべきたちまち満面朱を注ぎ憤然として打ち返し、手車となるやは振り解きツツ付入り右差し無残にも手強く突倒して大達の勝は立派なりし。
今泉司天龍は、左四ツ解れて今二本差しとなりは上手を引いて敵がヨリ来れば出しナゲで防ぎ、揉み合ううち水入りのち左上手下手となりて組み合いしが果てしなく、引分は充分。
響矢出羽ノ海は、右四ツ揉合い水入りてのち、は敵の前袋を取りて釣りツツ攻め来るを、釣り返して出羽の勝。
鬼鹿毛達ノ矢は、釣り出して達ノ矢の勝。
鞆ノ平小錦は、突出して小錦の勝。
鳳凰外ノ海は、立上るや突倒して鳳凰の勝は大出来大出来。
大炮大泉は、丁寧に仕切り立上り二本差しとなりは右を絞り左手をアテヨラんとするを、は頭付となりて防ぎ水入り、のちは無遠慮にも敵を押さえ付けヨリ来たりしが、土俵際にて得意のウッチャりにて大泉の勝。
千年川知恵ノ矢は、右差しヨリて千年川の勝。
大蛇潟平ノ戸は、切り返して大蛇潟の勝。
大戸平朝汐はこの日第一の取組にて、殊に両力士とも未だ敗を取らざれば今日こそいづれかに土の付くならんと各贔屓連は安き心もなかりしが、力士は念入りて立上り左差しタジタジとヨリ付ければはこれをヨリ返しながら左四ツとなりて、はスクイを打ち残して挑み合い大相撲となりし時は満場鬨きたり、兎角するうち右四ツとなりて釣合となりしが、遂に釣出して大戸平の勝。
西ノ海谷ノ音は、突出して西の勝で打出したり。

この日は土付かず同士の朝汐vs大戸平、特に大戸平は今場所一気に昇進したわけですが期待に違わず、西方では孤軍奮闘と言えるでしょう。朝汐をも破って西方の第一人者を印象付けます。新入幕の大炮はついに5連敗と壁に当たっていますが、これでこそ大相撲の奥の深さと言えるでしょう。大炮の四股名ですが、基本的に「大砲」なのですがこの時期は番付に「大炮」と書かれたりしています。また読み方も現在は「おおづつ」ですが、当時の新聞のルビは「たいほう」と振られており、読み方が途中で変わった可能性があります。

明治25年夏場所星取表

東前頭8・大泉保吉

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【2007/10/23 22:43】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所6日目 (毎日新聞/明治25.6.14)

○回向院大相撲
・一昨日の日曜は、前日来の降雨に引替え朝来一点の雲なく、櫓太鼓の響は好角家の夢を破りたるも怒らずしてこれを喜び、寝所を離れて疾く相撲行の仕度ソコソコ回向院に来るもの実におびただしく、午前九時頃よりは人出多く元町より相撲場まではさながら人もて山を築きし如く、ひしひしと押合いへし合い正午頃に至りては遂に客止となりぬ、さてかくの如き有様なれば場内はにわかに桟敷の建て増しをなしたるもギッシリ詰まりて、いささかの余地を見ず近来稀れなる大景気にてありし、貴顕方には近衛、徳川二公をはじめ伊達、津軽、酒井、黒田の伯子その他河津逓信次官、貴衆両院議員等見受けたり。
響矢柏森は、立上り左差し鋭く攻めヨリしかばは押返す暇なく、さりとて此のまま敗を取るは残念なりと思いしにや、一寸撓めて防ぎしが難なくヨリテ柏森の勝。
・この日我が社は編集一同見物に出掛けたり、時に某は大蛇潟の汚き立合はかねて相撲評にてこれを知るといえども、かくまでとは思わざりし、相撲一番におよそ三十分を費やすとして正味のところ五分位なり、他の二十五分は待ったのために時間を費やせり、相撲社会も改良ついでに爾来行司をして一二三の掛声にて立合する事にしたしとの注文ありしが、少しく行われざる望みなるがマッタの多きにも実に閉口、観客にあくびを促がす基なり、取締に於いて充分注意ありたき事なり。
高浪外ノ海は、左四ツにつがいヨリを見せてヤグラに釣りしをは足クセ防ぎカケ倒れて外ノ海勝。
司天龍千年川は、右四ツ司天遮二無二攻め付けんとアセレバは差し替え二本差しとなりてヨリ来れば、は上手を引きて金剛力もて攻め返し敵も一生懸命土俵を逃げ廻りしが遂にヨリ倒して司天の勝。
達ノ矢大戸平は、立上りは左差しにて付入りもくせもの敵の差し手を撓めんと仕掛けしが、スカサズヨリて大戸平の勝は関脇の貫目は充分。
西ノ海平ノ戸は、左差しで出て来るを西は引張り込み例の泉川で撓めければはこれを防がんと足クセを巻きしが、憐れにも突放して西の勝。
大碇大蛇潟は、突倒して大蛇の勝。
鳳凰高ノ戸は、立上りは左差し頭付で攻めんとの勘定なりしが、脆くも撓め出されて鳳凰の勝。
知恵ノ矢大達は、突合ううち踏切りありて大達の勝。
鬼鹿毛今泉は、いづれも互角の力士なれば観客は固唾を呑んで此の勝負如何と待ち設け居るうち力士は立上り、は左差しこれを挟みて足クセで投げを打ちしが残り、左四ツにつがい得意の襷となり見事スクイナゲで鬼鹿毛の勝は満場喝采。
出羽ノ海大纒は、切返して大纒の勝。
谷ノ音朝汐は、突合い二本差しで攻めヨルをはようやくこれを防ぎしもヨリ倒して朝汐の勝は大出来大出来。
小錦大炮は待ち設けたる取組なれば満場にわかにどよめき渡り暫時鳴りも止まざりし、さて立上るやはしきりに突掛け行くをは押さえて四ツにならんとすれど、の働き飛鳥の如く、突掛けては離れ、逃げては突掛け、遂に突倒して小錦の勝にて打出し。

注目の小錦vs大炮でとんでもない大入りとなったようです、お偉い方もいつもより多い感じですね。大蛇潟の待ったは噂になっていたようで(;・ω・)行司によるヨーイドンの立ち合いはこんな時代から提唱する人がいたんですね。さて結び、スピード相撲の小錦は持ち前の素早い動きを存分に見せて大炮を翻弄、貫禄を見せてくれました。

明治25年夏場所星取表

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【2007/10/21 17:24】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所5日目 (毎日新聞/明治25.6.9)

○回向院大相撲
・昨日五日目の同相撲は人々の待ち設けたる大砲西ノ海の顔触れなれば、好角家は我れ先にこれを見んとて午前九時頃より回向院に詰掛け詰掛け午後一時頃に至りては場内寸地を余さざる程にてありし、此の日貴顕方には徳川公、近衛公、伊達伯、渡辺驥氏等の方々を見受けたり。
響矢大蛇潟は、いづれも立合に汚なき力士なれば観客もあらかじめこれを想すといえども昨日の如きは実に数回なれば遂に満場を怒らしめたり、さて力士は立上り左四ツ釣出して響矢の勝。
立嵐高ノ戸は、右差しヨリ行くを引き外し手四ツとなりて睨合いしが、離れて左四ツ足クセモタレ込んで高ノ戸の勝。
今泉知恵ノ矢は、右差しこれを絞りヨリ来るトタン前袋を取りズブネリで知恵ノ矢の勝は実に凄まじき働きなり。
達ノ矢大纒は、立上り左差し引張り込んで泉川にて極めんと挑みしを、足クセで防ぎ一寸離れ二本差し釣出して達ノ矢の勝。
谷ノ音外ノ海は、突合い一本背負に行きしがハヅレたれば右を差さんと挑むうち突出して外ノ海の勝。
西ノ海大炮は、拍手喝采に迎えられ無造作に立上るや一寸突合いたるに満場にわかにどよめき喧々擾々、西は左を差してヨラんとするをは上より挟み堪えしを、西はスクイ投げを二三度打てヨリ切らんと付け入るを突放して西再び左差しとなり、はこれを絞り右を撓め合い挑みしうち水入りて、のち西スクイを見せし敵がイヤダと堪えし所を出しナゲて西ノ海の勝、満場再び喧擾。
大泉音羽山は、立上り左差し泉川にて極出さんとせしも、渡込んで音羽山の勝。
千年川鞆ノ平は、立上り少し立ち後れ千年無残にヨリ来るを防いでヨリ返し、左四ツ釣り身でヨリ来るとき土俵際にてウッチャリて千年に団扇を上げしより、満場行司の誤りなりとてにわかに鬨めき、遂に苦情起りて預りとなりしが星は千年の方となりし。
司天龍出羽ノ海は、上手下手にて左押さえ挑み合ううち、は無闇に釣り身となりしを出羽下手ナゲにて防ぎ、水入りてのちは出しナゲを打ち出羽は堪えて下手ナゲとなりて引分は充分。
朝汐平ノ戸は立合い右差し、引掛け足クセでヨリツツナゲを打ちしが突き手ありて朝汐の勝、時に自身に苦情を付けて土俵を下らざれば検査役東西に奔走して、星は朝汐に付し預りとはなりぬ、相撲社会に苦情の流行は観客の迷惑、かかる弊害は取締並に検査役にて矯正の法を講せざれば自然同社会の不利益なりと或る人は云えり。
大戸平大達は、二本差しヨリ倒して大戸平の勝。
小錦鬼鹿毛は、立上り突出して小錦の勝にて打出したり。

小錦大炮の人気
・目下力士中剛のものと云えば西ノ海小錦大戸平大炮朝汐の五人なり、なかんづく大炮の如きは昨今メキメキと力量体格とも増して西の両力士をもおさおさ凌ぐべき勢となりしゆえ好角不好角を問わずこの顔触れを初日前より待ち設け居たる有様なり、さればにや本日は大炮小錦の取組なればこれを見んとて相撲茶屋へ二三日前より付込む人々なかなか多く、高砂屋一軒にても六十八ヶ所よりの申込みありて高砂屋方にては場所のなきに苦しみ、さりとて華主の旦那場ゆえ断る事もならず、すこぶる閉口し居るとの事なるが、小錦の人気はまた大なりと云うべし。(6.12)

注目株の大炮はついに横綱西ノ海との対戦の日を迎えました。観客は相当にぎわっている様子ですが、当然でしょう。対戦の方はまさに熱戦でしたが、水入り後に最後はベテランの技術で勝ったというところでしょうか。大炮に力負けしていない所もさすが横綱という感じですね。破竹の新鋭と横綱との対戦、これは昔も今も相撲ファンの心を躍らせる、そんな場面が見られた1日でした。大炮は更に人気大関の小錦との対戦が待っており、こちらもかなりの注目を集めているようでお茶屋さんがチケットの手配に苦労している様子が伺えます。

明治25年夏場所星取表

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【2007/10/17 21:12】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所4日目 (毎日新聞/明治25.6.8)

○回向院大相撲
・昨日四日目の回向院大相撲は前日来引続きたる大景気にてありし。
高浪音羽山は、左四ツにつがいて無二無三に攻め来るを、も聞こえし剛のものなればヨリ返しながら投を打ちしも腰砕けて高浪の勝。
立嵐大泉はいづれも活発なれば目覚ましき勝負こそあらんと満場の視線は両力士の一身に集まり、立合い如何と待ち構え居るうち早くも立上り互いに突合い、は鋭く付け入りて片無双となしをカッパヂキて大泉の勝は当然。
大纒今泉は、左四ツはヨリ切らんと挑みたるをは体を開いてこれを防ぎ、かえって敵の前袋を探り釣り出さんとの考えなれども、も敵の構えを知るものから腰を切りてこれを防ぎ互いに挑み合い、水入りてのちはようやくに敵の前袋を取りイデヤ釣り出さんと土俵間際にヨリ行く時、引分となりしはの残念に引替えは僥倖との評あり。
鞆ノ平出羽ノ海は、右四ツとなりて互いに投の打合い、最後には下手投を打ちしも敵の足クセにて同体流れて預り。
鬼鹿毛朝汐は、左四ツは得意の襷となり差し手を引いて挑みし時、は早くも足クセにて攻めヨレばも大事と防ぐトタン巻き落して団扇はに上りしも、同体流れて預りとはなりぬ。
大戸平大蛇潟は、大蛇例の如く容易に立上らざるより大戸は憤然として満面に朱を注ぎイデヤ立上らば一掴みに取り挫ぎくれんとの意気込みなれば、ようやくに立上ると等しく大戸は勢い烈しく左差しとなり遂にヨリて大戸の勝と思いしに、大蛇は土俵を踏切りたるのちウッチャリしとて苦情起り預りとなりしが、星は大戸平の方へ付す事になしたり。(ソレハ当然サ)
知恵ノ矢高ノ戸は、立上り左を差さんと付入りしを、その手を取りて一寸と引廻しトッタリでの勝は絶妙。
響矢大達は、左四ツ踏切りありて響矢の勝は仕合せ。
大炮達ノ矢は、大炮本年一月の場所にて敗を取りしゆえ今日の立合も底気味悪く、殊に前日朝汐に取挫かれ居れば何となく悄然として見えたり、さて両力士は念入りて立上り手車となりて互いに睨みううち、はその手をエイと引払う声と共に早く二本差しとなりて攻立つれば、大炮も此所ぞ大事とヨリ返しつつ敵の差し手を絞らんとする時遅く彼の時早く、体を逃げながら巻き落して達ノ矢の勝は満場喝釆。
谷ノ音千年川は、右四ツ挑合い水入りのち下手ヒネリで谷ノ音の勝。
平ノ戸小錦は、突出して小錦の勝。
西ノ海司天龍は、司天立上りざま右手を敵の首に巻き足クセにて巻き倒したるが、同体落ちて預となり打出したり。

新入幕の大蛇潟ですが立ち合いはかなり汚いようです(;・ω・)大戸平もイラついたようで白星を取り逃がしてしまいました。星は大戸平との事なので、番付編成や給金計算上では白星として扱われます。記者の何気ない一言コメントがいいですね。達ノ矢は巧い相撲でまた大炮に勝利。西ノ海は奇襲を喰らって白星を取り損ねてしまいました。

明治25年夏場所星取表

西小結・谷ノ音喜市

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【2007/10/14 23:39】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所3日目 (毎日新聞/明治25.6.7)

・昨日の三日目も景気よき方なりし。
海山鳳凰はいづれも幕の内力士をも凌ぐべき力量体格とも備わりたる人気角觝なれば、観客は固唾を呑んで此の勝負如何と待ち構え居るうち力士は立上り、は鋭く突掛け左四ツとなりて勢いよくヤグラに釣らんとせしを、はイヤダと防ぎツツ上手ナゲを打ちしに敵は辛くもこれを残し互いに秘術を尽くし挑み合ううち、の縦ミツ解けたれば尾車早くも認めソレミツをと行司に注意を与えたるも力士は獅子奮迅の勢いにてあれば行司も容易に近寄り難く、少しく躊躇の姿なりしが早くも鳳凰は上手ナゲにて勝を制したり、されど行司は一旦検査役尾車より縦ミツ解けたりとの注意もあれば鳳凰に団扇をも上る能わずただ茫然として至りしに、たちまち検査役は其の判定を決せんと会議を開きて場所だけの預りとなしたるは、けだし失当の嫌なしとせず記者は従来の経歴によりてこれを論ぜん、そも力士が組み合うて居るうち、もし取り廻しが解くるかの時は行司あるいは検査役が注意してまづ觝うを中止してこれを締め直し、再び取組ませたる事実はしばしば目撃する所なり、海山鳳凰もその例と少しも異なる事なし、只々行司が相撲を止めざるゆえなるが尾車が廻し廻しと声を掛けしは事実なり、果たして海山はこれを聞きしゆえ気合を抜きて脆くも投げられしものならんに、これを酌量せず場所だけの預りとは実に失当の至りと云うべし、しかし某検査役は行司がこれを止めざる以上は是非なしと語りしが、同社会はまた一種特色の所なれば記者も是非なしと諦めたり。
高ノ戸谷ノ音は、は勢いよく突掛け来るを体を斜にしてこれを外し逃げつつの左手を取りてトッタリでの勝は上出来上出来。
小錦司天龍は、司天立上りざま蹴返したるも残して付入り、突出して小錦の勝。
朝汐大砲は拍手喝采に迎えられて土俵に上り、左四つにつがいは襷となりて一寸ヒネリしがこれを防ぎて敵の差し手を絞り、差し手をハズに構え金剛力にて押せどもヨレどもさながら大樹の如くなればも必死となりて挑みければ、大砲も油断なく競ううち水入り、のちは前の如くに頭付となりて攻付け攻付け、遂にヨリ倒して朝汐の勝は満場のどよめき暫時鳴りも止まざりしが、溜りの鞆ノ平大砲に棄て身ありと苦情を鳴し、検査役は東西に奔走したるがは最初より此の苦情を不当なりとてこれを斥け、全く朝汐の勝となしたるは流石流石に取締の貫目充分、溜りでイヨ雷屋と賞賛せし人ありし。
大戸平大泉は、左四ツは無残に攻め行きヨリ切らんとせし時、は土俵際にてウッチャリ団扇は大戸平に上りて苦情起りおよそ一時間余も東西の談判に時間を費やして預りとはなりぬ。
西ノ海大纒は、泉川突放して西の勝で打出したり。

十両の土俵で廻し待ったの指示がうまく行かずにトラブルとなってしまいました。明治の力士は現在より体は小さいですが俊敏なため動きを止めにくかったのかも知れません。相撲界が独特な世界で理屈が通じない、というのはある意味現在に引き継がれているような気もしますが(;・ω・)これはむしろ伝統として守っていって欲しいと思います。小錦は先場所の幕内初黒星の相手司天竜に快勝、大戸平はもつれて1時間以上の物言いとなってしまいました。

明治25年夏場所星取表

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【2007/10/12 12:24】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所2日目 (毎日新聞/明治25.6.7)

○回向院大相撲
・一昨日二日目は朝来曇天なりしも日曜なれば仁王の開帳を掛け午前七八時頃より客足絶え間なく、その雑踏非常にして午後二時頃には流石に広き場内もほとんど立錘の地を余さざるに至りぬ、此の日貴顕方の好角家には貴族院議長蜂須賀侯、徳川公、近衛公、池田侯、京極子、渡辺驥氏その他各省の勅奏任官の方々を見受けたり。
司天龍高浪は、より突掛け左四ツにつがいしにも拘わらず取り口の悪しきにやマッタと云いツツ力を出したれば高浪は得たりと全身の力を出し無二無三に攻付け、司天は踏切りありて行司は高浪に団扇を上げたり、しかるに司天は少しく不平の色を表したるも負けしに相違なし、司天最初に突掛しとき化粧立なりせば力を出さずしてマッタと敵を遮らざりしかなるに、さりとは老練なる同力士にも不似合の事なり。
鞆ノ平大達は中々の人気にて、左四ツとなりがヨランとすればは押し返して一寸ヒネリ互いに力を出して揉合いしに、満場一時にどよめき拍手の内に水入り再び揉合い引分となりしが、好角家は此の相撲を如何に判断せらるるか、記者は最初よりかくあらんと予想せり、されど両力士が四ツにつがいし時は立派と云うのほかなし。
鬼ヶ谷千年川は、烈しく突き合い五度目には下より突掛けんとて思わず頭上敵の面部に当たりたれば、たちまち千年の鼻孔より出血し遂に痛み分けとはなりぬ。
大戸平外ノ海は、右四ツより倒して大戸平の勝、この時外ノ海は土俵を下らんともせず少しく躊躇せり、それはがヨリ来る際棄て身を打ちしゆえ自身の勝なりと思いしならんが、すでに踏越したるのちにウッチャリたるものなれば致し方なし、しかし土俵の上おのれの勝敗をも分らざるほど熱心に觝うは感服。
西ノ海鬼鹿毛は、が突掛ケ来るを入れ替りざま左ハズ押出して西の勝。
大炮高ノ戸は、土俵に上り相対したるに体格の不均衡は実に譬うるに物なし、或る人は片仮名のトの字と評せり、されど巧者なる高ノ戸なれば大炮も中々に油断なく立上ると等しくは敵の左手を掴み土俵の周囲を逃げ廻り、隙あらば引張りて背後に廻り送り出さんとの結構なりし如く見えしが、以前の大炮ならイザ知らず今日はこれ等の罠に掛る万右衛門ならずと除々に歩を進め、時分はヨシと突出して大炮の勝は満場大喝采。
今泉平ノ戸は、左四ツスクイナゲで今泉の勝。
立嵐達ノ矢は、左差しヨリ倒して達ノ矢の勝。
朝汐響矢は、左四ツ見事上手ナゲにて朝汐の勝、この角觝には響矢の汚なき立合にてほとんど三十分を費やしたり。
谷ノ音大泉は、外掛けモタレ込んで谷ノ音の勝。
小錦大纒は、立上るやいな一突きにての体土俵の下へ転々との勝にて打出したり。

今場所も上々の相撲人気のようです。大関八幡山ら初日から休んでいる力士は数人いるものの、小錦の復活と大炮の躍進、西ノ海も元気で活気のある土俵と言えるでしょう。新関脇の大戸平も調子よく連勝。鞆ノ平と大達のベテラン対決は先場所と同様に引き分け。当ブログが開始した明治13年夏場所当時から幕内にいるのは鞆ノ平1人だけです。出羽ノ海(常陸山)と大達が十両にいました。しかし待ったを言いながら力を抜かず相撲続行の司天竜はいかがなものかと(;・ω・)

明治25年夏場所星取表

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【2007/10/10 22:00】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所初日 (毎日新聞/明治25.6.5)

○大相撲
・回向院大相撲は予記の如く昨日より初日興行をなしたるに、久々の角觝なれば好角家は云うも更なり仁王開帳の参詣人も過半は相撲に引付けられし有様にて、日比谷に大相撲のあるにも拘わらず観客の足取り早く、実に初日としては近来稀なる大景気なりし。
大蛇潟越ヶ嶽は、大蛇響升に劣らざる汚き立合いの力士なれば容易に觝うまじと観客はいづれも空吹く風に看過し居りしが、流石に幕内へ昇進せし程にて仕切りも無造作に立上るや、は下より頭付に組まんとエイの一声と共に突き入りしを、一寸開きハタキて大蛇の勝は全く越ヶ嶽周章の結果なりと思わる。
大炮大達は、仁王をも凌ぐ体格にて土俵に出ると等しく場内は何となく賑わしく一きわ景気付きて見えたり、さて力士は立上り手四ツとなりて互いに睨合いの姿となりしが、はかくて果つべきならずと振り解いてヨラんと巻込み行くを、面倒なりとの面体にて片手突に突出して大炮の勝は、満場その力量の推しはかられざるには暫時呆然たる様なりし。
平ノ戸大泉は、左四ツにつがいは差し替え二本差となりて遮二無二攻め付るを、はこれを防がんと少しく堪えたるも遂にヨリ切りて大泉の勝。
鬼鹿毛出羽ノ海は、得意の襷となりて敵が仕掛け来らば謀計に乗せんとさながら待つものの如くなりしに、出羽はかくとも知らず左を差しスクわんとして浮足となりしを、得たりや応と独りうなづき十八番のヒネリにての勝は大出来大出来。
司天龍達ノ矢は、司天烈しく右ハズで攻立るを、はこれを避けて敵に仕掛る手段のなきため単純に防御のみに力を尽くし居るうち、早くも左差し巻き落して司天の勝は実に咄嗟の働きなりし。
大纒朝汐は、左差しにて無遠慮にも踏込み踏込み攻付れば、はこれを絞りて立て直さんとするも敵はいよいよ鋭くヨリ来れば、最早これまでなりとウッチャリて団扇は朝汐に上りしも苦情起りて預り。
大戸平大碇は、立上りはハズに当て無闇にヨリ行きしを、は土俵の半までヨリ返したるには受身となりて堪える途端、ハヂきて大戸平の勝。
小錦音羽山は、立上りは勢いよく攻め立てすでに土俵際に来りしに、は巧みに体を廻しかえって攻め方となりて押切らんとせし時はの体ほとんど危うかりしが、エイと云いざま突返し見事押出しての勝。
西ノ海響矢は、西例の泉川でなく不思議にも二本差しスクイ投で勝を得たるは西関にしては新手新手。
外ノ海鞆ノ平は、は元気にも攻め行くを土俵際で見事にウッチャリての勝、時に物言い付きて土俵だけ預りとなりたり、されば西溜りの力士がこれに物言を付したるはに踏切りありとの事ならんが、記者は踏切なしと断言す、かつ検査役自身も踏切なしと云い居るにも拘わらず溜りよりの苦情を一々採用する時は実に際限なく、相撲改良の趣旨に戻るならん、検査役少しく反省せよ。
若湊高ノ戸は、突合いは二三度ハタカレしが辛くも残し、右四ツ小手ナゲでの勝。
今泉谷ノ音は、小手の打合いより左四ツにつがい今ヨラんとせしを、は足クセモタレ込んで同体流れ預り。
響舛立嵐は、右差し渡込んで立嵐の勝にて打出したり、時には膝を痛め高ノ戸背負うてようやく仕度部屋に連れ行きたり。

・相撲協会は一昨日幕の内力士一同へ当場所より九日間勉励の力士へは給料のほかに給料全額の賞金を与うべし、もっとも一日たりとも欠勤の力士へは賞金は与えざるべしと定めたりと、これ等も作病力士の防御法なるべし。

この頃の休場力士には仮病が多かったのでしょうか、皆勤ボーナスが設定されました。これで休場者は減るでしょうか?大炮が新入幕、今回も大達を圧倒してスケールの大きさを見せました。小錦は一瞬危なかったですが体調の回復具合が注目されます。番付運の悪さを乗り越えてついに関脇に昇進した響舛ですが、何と初日にケガをしてしまいまたも不運に見舞われました。

明治25年夏場所星取表

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【2007/10/08 18:31】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年夏場所新番付発表 (毎日新聞/明治25.6.1)

○大相撲
・東両國回向院にて興行する大相撲は来る二十九日番付を配り翌三十日太鼓触れ、六月一日より初日。
○角觝だより
西ノ海八幡山の一組は大阪難波新地に於いて昨十二日より晴天十日間興行、それより直ちに帰京。
小錦剣山の一組は昨十二日より晴天七日間千葉県八日市場にて興行、それより佐原にて晴天七日興行、帰路成田に於いて晴天五日間興行、直ちに帰京。
大泉大達の一組は目下横須賀にて興行中、打ち上げ次第三崎にて一興行、それより帰京。
大蛇潟雷山の一組は昨十二日より下谷佐竹ヶ原にて晴天十日興行、それより濱町の中洲にて興行する筈。(東京朝日新聞/5.13)
○回向院大相撲番付
・好角家のかねて待ち設けし回向院大相撲の初日もいよいよ明後日となり、番付は昨夜同社会のものへ配布したるが、其の番付は本社がかつて予想せし如く大戸平を関脇に昇進せしめたるは高砂雷両取締及検査役が勉めて従来の宿弊を去り、もっぱら優勝劣敗の主義を取りて力士の黜陟をなしたるは感服と云うべし。
○回向院大相撲
・好角家の待ちわびツツありし回向院大相撲もいよいよ今日より初日興行との事なれば、かねて勧進元木村庄之助氏へ各贔屓連より贈りたる旗幟を回向院大門内外に押し立て、殊に新潟より贈りたる縮の吹き流しは一きわ目立ちて見えたり、かつ昨今同院に柴又仁王の開帳ありて方々大いに雑踏するならんと思わる。
・また綾浪はかねても記せし如く糖尿病にかかり、もはや角觝廃業して更に追手風喜太郎の家を相続して年寄株となり、一昨日その容貌を変じ散髪とはなりぬ。(6.4)

現在と違い各派に分かれて巡業しています。巡業は場所直前まで続きハードなスケジュールですが、これも力士の貴重な収入源でした。新番付の方は記事にあるように本場所の成績を重視する傾向がさらに強まり大戸平が一気に関脇へ、これほどの大幅な昇進もだんだんと珍しくなくなっていきます。先場所関脇だった綾浪は地位の明記が無い張出となりましたが、これは現役続行か引退か微妙な状況だったせいでしょうか。現在も力士の職業病と言われる糖尿病で怪力綾浪も引退を余儀なくされてしまいました。


新聞掲載の新番付(クリックで拡大)

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【2007/10/04 19:51】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
明治25年春場所千秋楽 (毎日新聞/明治25.1.16)

○回向院大相撲
・昨日十日目の同相撲は流石に藪入なれば常の千秋楽に比すれば景気よき方なり、また貴顕方には徳川公のみ見受けたり、実に貴顕方好角連の統領だけありて千秋楽の相撲にまで来臨せらるるとは有難き事なりと同社会のものは喜び居れり。
大炮柏森は、立合いは足取りに行きしを踏張りて右四ツ、ヨリて大炮の勝。
天津風松ヶ関は、右四ツにつがい揉合い水入りてのち挑み合い引分。
猫又立嵐は、二本差しヨリ行くを、足クセ防ぎ左四ツヨリ来るを棄て身にて、物言い付き預り。
高千穂高浪は、立上りざま突倒して高浪の勝。
大碇大蛇潟は、右差しヨリ来るを大蛇泉川にて撓めしが、渡込んで大碇の勝、時に梅勇は大碇に代わり拍手喝采の内に弓取りを演じ終りて、目出たく千秋楽の相撲を打ち納めたり。
・また同相撲は木戸十銭を五銭に値下げ、殊に改良に付いて種々の費用を要し、稍々六千円ばかり上らざれば計算相立たずと内々年寄中心配し居りしが、意外の大入にて興行中の収入六千円以上に達したりと云えば幾分かの純益ありしならんという。

ある意味今場所の人気を引っ張った大炮は8勝目、来場所は幕内でどんな活躍を見せてくれるでしょうか。天津風(あまつかぜ)松ヶ関(まつがせき)高浪(たかなみ)大蛇潟(おろちがた)など、次代の幕内中堅力士たちも頭角を現してきました。今場所は前半の客入りが良く、興行的にはまずまず成功だったようですね。

明治25年春場所星取表
【2007/10/03 01:49】 | 大相撲 | コメント(0) | page top↑
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