スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
明治22年春場所4日目 (毎日新聞/明治22.1.23)

○回向院大相撲
・昨日四日目は中々の景気にて、貴顕方の内には黒田、吉井、佐々木の三伯、蜂須賀、伊達の二侯等を見受けたり。
雷震千羽ヶ嶽は、立合いに左を差さんと付け入るを引張り込んで絞らんとせしが、巻替え左四ツ揉合い釣出して千羽の勝、力士が未だつがわざる前今日はナンボ千羽でも勝つだろうとの観客の推測は当れり当れり。
黒雲伊勢ノ濱は、突合い左四ツとなりし時伊勢は敵の差し手を絞りながらヨラんと攻め行く際、足クセにての勝。
若ノ川真鶴は、如何なる角觝を見るものかといづれも立合い遅しと待ち居るうち力士は早くも立上り、直ぐ左四ツにつがいながらは下手を引き無遠慮に押し行く時はの体やや危うかりしより、捨身に行きしが団扇は真鶴に上りしも物言付きて預り。
阿武松常陸山は、右四ツ下手投にて常陸の勝はコンナモノか。
小錦鬼ヶ谷は当日一二の相撲なれば場内は自ずからどよめきたり、時に力士は丁寧に仕切り立上るやは得意の鉄砲をカマせしに、アワヤは敗を取るかと思いしが、同力士は敵より突出したる鉄砲のため少しくヒルミしも、矯め直し一きわ烈しく鉄砲返上との意にて諸鉄砲突出しの勝は立派なる働きと云うべし。
大鳴門若湊は、左をナタにて突張らんと意気巻くを鳴門は下よりこれを押さえながらエンヤと堪えたる途端、ハタキ込んで若湊の勝は案外の勝負、すこぶる興ありしが鳴門にはチト気の毒。
一ノ矢平ノ戸は、が初日以来の不出来なれば如何あらんと気遣う観客も見えしが、力士は難なく立上りは左を差し敵の前袋を探りに行くを、押さえて締め付けしかバは此処ぞと巻き落さんと差し手に力を込めたるを、得たりとヒネリて一ノ矢の勝は、前号に小量なりと注意を促せしためこれに気付きて元気を出せしものか一関よ、西ノ海に位置を奪われぬ様ご注意ご注意。
芳ノ山真力は、突張り合いながら左を差さんとするを、巻き返して再び突張り合ううち早くも左差しヨリての勝。
千年川八幡山は、立合に千年右を差さんとするを敵は鋭く跳ね付けツツ、かえって右を差したれば千年はこれを引張り込んで直ぐ一本背負と出掛けしに、八幡は油断ならじと手強く引抜きければ千年はあわてて体を廻さんとせしも、此の時遅く彼の時早く突き付けて八幡の勝は巧者と云うも余りあり。
嵐山海山は、右差しにてジリジリ押しに攻め来る時、も捨身となりて防ぎしがヨリて海山の勝。
伊勢ノ海鞆ノ平は、伊勢右差しヨリ行く時首投げを打ちしも押出して伊勢の勝。
西ノ海司天竜は、立合には左を差さんとせしを引張り込み得意の泉川にて土俵際まで押行きしに、は堪まらじと逃げんとせしが、踏出して西の勝は是非もなし。
綾浪剣山は、立合いに敵の左を引張り土俵を廻りしが、突出して剣山の勝にて打出したり。

幕内では先場所不振だった海山が復活して唯一の全勝。大ベテランの千羽ヶ嶽はここのところ十両相手に連敗して力の衰えが顕著ですが、この日は何と二段目の18枚目、つまり幕下8枚目の雷震(らいしん)との対戦、ようやく初白星でした。

明治22年春場所星取表
スポンサーサイト

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/31 23:46】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治22年春場所3日目 (毎日新聞/明治22.1.22)

○回向院大相撲
海山千年川は、右差しに行きしを千年突張りながら差さんとする時、十八番の逆ヒネリにて海山の勝。
八幡山綾浪は、左四ツ揉合い合四ツにつがい大相撲となりて、互いに敵の隙を伺ううち水入りのち前の如くにて預りは、立ち疲れしかとの悪口もありしが全く力は入り居れりという。
司天竜嵐山は、立合に右を敵の首に掛け猫ダマシにでも行く心組の如く見えしが(ソレナラ一寸無理)司天はそれを巻き返しながら右をハヅに当て無遠慮にタジタジとヨリ来りし時、は土俵際にて捨身となりしが外掛けヨリて司天の勝は烈しき働き。
鞆ノ平阿武松は、右四ツ阿武上手前袋を引きツツ下手投を打ちし時、敵すこぶる危うかりしが引き付けアビセ掛けしゆえツブレて鞆ノ平の勝。
西ノ海鬼ヶ谷は、立合に西充分遅れたれば定めしマッタと云うならんと思いしに、さはなく立上り反り身になりて敵の突来るを受けしかば難なく突き出して鬼ヶ谷の勝なりしが、西は現今すこぶる元気付きしゆえかえって大事に角觝うべきに軽率のため斯く脆く敗を取りしはすこぶる惜しき事に思わる、爾来注意しては如何。
剣山芳ノ山は、右四ツが下手投を打ちし時はの体危うかりしが、踏み堪え揉合いはアセリて上手投に行きし時、預けられツブレて剣山の勝。
千羽ヶ嶽大纒は、二本差しヨリての勝。
真力若湊は、諸ハヅ押切りての勝。
常陸山黒雲は、常陸立上るやいな無闇に押行きし所はいかにも勇ましかりしが、始めの景気どこへやらがハヅを構えタジタジと押戻したる時は常陸も此処を堪えるならんと思いの外、難なくヨリての勝、常陸関今少し勉強してはドーデす。
平ノ戸小錦は、観客の待ち設けたるつがいなれば力士が土俵に上るやいづれも贔屓贔屓の力士を呼び中々の騒ぎなりし、さて両力士は丁寧に立ち上り左四ツにつがい、間もなく合四ツとなりてが引付け釣らんとアセレバはこれを防ぎ、またがスクワンとすればは身を潜めて防ぐなど中々の大相撲にて、水入りのち又々釣らんとすれば敵は残して蹴返さんと互いに隙を狙ううち、四本柱の伊勢ヶ濱は引分けヨと行司に命令するも高砂は否な否なと両手を振りたり、此の時満場の観客はシメタリなどと一時にどよめき渡りしが、再び揉合い全く取り疲れ預りは充分充分。
大鳴門伊勢ノ海は、二本差しヨリて鳴門の勝は当然。
真鶴一ノ矢は、立上りは突張りツツ左四ツとなりし時、早くもスクイ投を打ちしが、残してはヒネらんと少しアセる気味なりしが、兎に角立ち直り揉み合ううち全身の力を込めエンヤとスクイ投げて見事真鶴の勝は立派と云うの外なし、因みに云う、一ノ矢は今回大関となりしよりすこぶる相撲を大事に取る所から初日の伊勢と云い二日目の真力などの具合は余り馬鹿馬鹿し、畢竟同力士が小量より起りし者ならんとの評あり、或いは然らん。

記者の言いたい放題がエスカレート気味です(;・ω・)さて相撲の方は先場所小錦に唯一負けなかった平ノ戸が今場所も好勝負を見せて引き分け。新大関の一ノ矢は慎重になり過ぎてついに黒星がつき、力量に疑問符が付けられてしまいました。

明治22年春場所星取表

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/30 23:05】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治22年春場所2日目 (毎日新聞/明治22.1.22)

○回向院大相撲
・一昨二十日は日曜にて、殊に寒気も正午頃よりやや緩みたれば通常の二日目よりは幾分の景気を増し、貴顕方には徳川公、副島、吉井、佐々木の三伯、吉田子、安藤議官等を見受けたり。
野州山千羽ヶ嶽は、野州の左差しを千羽反り身にて泉川を極めヨラんとするを、外掛けモタレ込んで野州の勝なりしが、千羽余り身を反らしたため敵は充分平常の術を顕わすに至れり、もし千羽が身を反らさずして右足を引きたらんには、或いは掛けし泉川が極りしやも知れず、注意すべき事なり。
今泉真鶴は無造作に立上り、直ぐ左四ツにつがいは右をハヅに充てジリジリ押しに攻め付くるを、は上手にこれを絞り兎角受け身となりて揉み合ううち、敵は差されし手を解きつつ釣出して真鶴の勝は巧者と云うの外なし。
阿武松鬼ヶ谷は、立合に阿武ウマク諸差しとなりしも敵がだけに素早く差し換え左四ツとなりたり、この時土俵際なれば阿武は体を廻し釣出さんとせしが、モタレ込んでの勝。
芳ノ山司天龍は、立合うやいな直ぐに右差しヨリ倒して司天の勝は呆気なし。
若湊知恵ノ矢は、立上りは右差し左を充て遮二無二ヨラんとするを、は敵の差し手を撓めながらうまく残したれば、は是非なしと力を頼み下手投を打ちしもこれまた極らざるより、一ト際烈しく廻し込みたるより、かえりて自身の体危うかりしが、敵に知恵なかりしが幸い突出しての勝、もし相手が他力士にてありしなら敵の廻し込みし際付け入り送り出して勝を得るならんと相撲通の評、或いは然からん。
小錦八幡山は、当日第一の相撲なれば場内何となく騒がしく、観客はいづれも固唾を呑んで注目せり、両力士は容易に立上らず化粧立ち数回ののちようやく立上り、左四ツにつがい一寸と競ううちは苦なく下手櫓に釣り、勇み込んで持ち行く時八幡は此処ぞとモガキしが土俵際にて、遂に体が落ちたりとて行司はに団扇を揚げたり、然るにが敵を持ち行く際八幡の体未だ落ちざる前、に踏越しありとの物言起こり預りとなりしが、観客は過半の勝なりと思いたらんも、全く踏越しのありしものか検査役は平預りと為せり、もし一方を勝と認むれば其の場だけを預け星は無論勝者に付するが同社会の規則なりと聞く。
黒雲鞆ノ平は、諸差しヨリての勝。
一ノ矢真力は、立上りは左差しとなりしをは其の手を締め敵の右を殺し争う時、は差し換えつつ内ワクに行きしが残り、ハズにて攻め互いに揉合ううち、は前袋を引きて釣る趣向なりしが兎角するうち水入りのち間もなく二本差しとなりヨリて一ノ矢の勝。
綾浪伊勢ノ濱は、左差しとなりしを伊勢泉川に極めしが、足クセモタレ込んで綾浪の勝。
伊勢ノ海海山は、右差しヒザ櫓にて海山の勝。
嵐山谷ノ音は、右四ツにつがい釣出して谷ノ音の勝は場内の喝采あたかも湧くが如く、暫時鳴りも止まざりき。
若ノ川常陸山は、立上り左差しとなりしを常陸は左手をハズに構い小手投げに行きしが極らざるより、やむを得ずナタを試むるうち敵の突き付け烈しきため腰クダケて若ノ川の勝。
西ノ海平ノ戸は、立上りざまは足クセを巻きモタレ込まんとの仕組なりしが、敵は心得たりと此の際右足を引きしかばの企て齟齬して如何ともするなく、其のままヨリて西ノ海の勝は大キイ大キイ。
千年川大鳴門は、立上り千年は充分突張り行きしを、一寸とハタキ突き手、鳴門の勝にて打ち出したり。

前頭筆頭へ躍進し快進撃の小錦でしたが、落とし穴があったようです。平預かりとは両者五分の丸預かりのことでしょう、もし踏み越しが無ければその場は預かりとなっても小錦に丸星がついていたはず、と記事では言っています。千羽ヶ嶽の相撲には記者自ら技術的な苦言を呈し、知恵ノ矢に対しても知恵無しとはなかなか辛辣ですね(;・ω・)

明治22年春場所星取表

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/29 21:58】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治22年春場所初日 (毎日新聞/明治22.1.20)

○回向院大相撲
・一月早々興行する筈なりし同場所も、力士中の紛紜ゆえ久しく延引しようやくの事にて昨日初日とはなりぬ、当日の景気は初日にしてはまづ宜しき方にて、毎年の常客安藤元老院議官は例年通り来り居られたり。
鬼ヶ谷伊勢ノ海は、いづれも烈しく突合いながら左四ツとなり、伊勢差し手を働かさんとせしも挟み付けながらよりての勝。
綾浪響矢は、綾浪の不元気に引換え響矢は勇ましき面色にて立上り、左四ツ苦なく釣出しての勝は末頼もしき事に思わる。
芳ノ山海山は、立合いざま右四ツにつがい互いに投の打ち合いを為し、最後には今度こそ極めんものと腰を入れ金剛力を出して下手投に行きしが、余りハヅンだせいか体が少し浮きたるを、敵は得たりとモタレ込んで海山の勝は、何んと云ッても力士の貫目はまだまだ充分あります。
鬼鹿毛嵐山は、一寸と左四ツにつがいしがは例の合掌でも掛ける心得なりしか、右を敵の首に掛けしも意の如くならざれば足クセ巻かんとせしに、解れて泉川となりて攻めヨラんとアセリしも、あわれ折角掛けたる術の解けんとしたれば此処ぞと体を引きながら力に任せ引落したるが、の体の倒るると同時に踏切りありて物言付き預り。
常陸山千年川は、丁寧に仕切りて立上り常陸は遮二無二右を突張り行くと敵が堪えたる時、土俵際まで逃げながら引落せしが、敵も落ちながら素早く付け入り右差しとなりしにぞ、常陸は最早これ迄と捨身になりし時、ヨリて千年の勝。
西ノ海知恵ノ矢は、立合に知恵は蛸の如く敵の首に巻付き足クセに引きしが、恰も大木に蝉という気色にて難なく持出し西の勝は滑稽とやいわん。
大鳴門黒雲は、突合いながらが一生懸命にハタキたる時は鳴門の体稍々危うく見えしが、流石同力士の事なれば立て直して再び突合い左差しヨリて鳴門の勝は是非もなし。
平ノ戸大纒は、右差し小手投にての勝。
阿武松千羽ヶ嶽は、立合いて千羽はお株の右を引張り、泉川となりヨリ行きし時は必定千羽関の勝ならんと思いきや、首投にて阿武の勝は満場大受け。
司天龍響升は、右四ツヨリて響升の勝は勉強の程あっぱれあっぱれ。
真鶴若湊は、立上りて突張り合いは締めながら攻め来りしが敵は体をかわしながらこれを防ぎ、左四ツにつがい下手投げにて真鶴の勝。
八幡山若ノ川は、立合引掛けしが残り左四ツ釣出して八幡の勝は嬉しかッタと云う芸妓連を見受けたり。
小錦谷ノ音は、突張りての勝。
鞆ノ平今泉は、左四ツにて揉合ううち首投げに行きしが残り、押出して今泉の勝。
一ノ矢伊勢ノ濱は、立上り伊勢は左差しにて敵を土俵際まで押し付けたれば、も此処ぞと右手を敵の首に巻きヒネらんとせし時、伊勢鋭く攻め来りしかば遂に同体流れ預りとなりしに、満場の人々は伊勢の勝なりとて一時にどよめき土俵の廻りに立ち塞がりし程の大騒動なりしが、先づ預りが穏当ならんと思わる。

大達は小結に降格されましたが体調戻らず、またしても休場となりました。代わって新大関は先場所好成績の一ノ矢、ですが初日は硬くなったかそれ程でもない相手に苦い大関デビューとなりました。花形力士の司天竜は何と新十両の響升(ひびきます)に完敗、小結鞆ノ平も十両の今泉に黒星と、東西制ならではの顔合わせで波乱がありました。

明治22年春場所星取表

西大関・一ノ矢藤太郎

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/27 22:15】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
明治21年夏場所千秋楽 (毎日新聞/明治21.5.29)

○回向院大相撲
・一昨二十七日の十日目は日曜なれば平常の千秋楽よりは景気よき方なりし。
若ノ川唐辛は、巧者同士なれば目覚ましき角觝を結ぶならんと、観客は望みをこの一番に嘱せしものの如き有様なり、さて力士は無造作に立上りは諸差となりて一寸と突張りのち仕事をする心得なりしにや、突張りて体を屈めすでに斯うよと見えるとき、早くも引落して若ノ川の勝は首尾よく力士中へ加えられたるは同力士は云うも更なり贔屓の人々も満足の事と思わる。
石部川小西川は、左四ツ釣出して小西川の勝。
荒虎高ノ戸は、ヨリての勝。
高浪は、左を当て押し切りて高浪の勝。
剣島平石は、立上り左を差せしを泉川にて極めんと絞りたるが、残し右四ツ離れて一寸と引落し極らずしてハタキ込み平石の勝は実に力の入りし角觝なりき。
瀧ノ音谷ノ音は立上り右四ツは釣り出さんと持行きしを、は足クセを巻き防ぎたるよりスクイ投げにての勝なりと団扇はに指したるが、両力士の体落ちる前の方に付き手あればの勝なりとの物言いありて預り。
北國大纒は、左差しは上手を引き、互いに投を打ち或いは釣合い暫時睨み合いとなり水入りしのち揉合いしが、取疲れて引分。
若木野祇園山は、突出して祇園の勝。
大碇播磨洋は、押切りての勝。
響升響矢は、左四ツ攻合い合四ツとなり水入りしのち力士は必死となりて角觝たるも取疲れ引分は好し。
今泉山響は、左四ツ足クセヨリての勝にて当大場所興行の千秋楽を告げたり。
・当五月より力士の格に昇等せしは、若ノ川新川野州山外ノ海北國大纒等にて、また達ノ矢は多分給金は十三円位にて幕の内四五枚目位に付けらるるならんという。

○宿禰神社相撲の見合せ
・相撲社会は先年野見宿禰こそ我々力士の祖先なり、これを祭らざるべからずとて高砂浦五郎等発起し年二度の大場所後には本所緑町なる同社境内にて奉納角觝を為し、此の収入を同神社の維持金に充て来りしところ、客年の紛紜より年二度の奉納相撲を更に五月場所打上げの翌日一度と改正したり、然るに昨二十八日は右一度定期の奉納相撲を挙行する当日なりしに、これを見合わせ更に同神社に於て主なる力士の土俵入のみをなして其の式を済したりと、聞く所によれば右は力士中に病人もあり且つこの奉納相撲収入の支出上について苦情を鳴す力士もあるゆえいっそのこと見合にせしなりという。

千秋楽は例によって幕下以下の相撲、何度か脱走と復帰を繰り返してきた怪力の若ノ川がついに目覚めたか、好成績でファンに恩返しです。力士の格に昇等というのは今場所の成績をもって関取格へ昇進する、といった意味でしょうか。

明治21年夏場所星取表

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/24 23:08】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治21年夏場所9日目 (毎日新聞/明治21.5.26)

○回向院大相撲
・昨日九日目は芳川野村の二次官、徳川公爵、蜂須賀侯爵の方々を見受けたり。
今泉楯甲は、立上りは得意の左差しとなりて右を当て攻め付け行くを、これを残し防がんとせしを、スクイ投にての勝。
小錦梅ノ矢は、立合い体を屈しカブラんとせしを、左を当て揺り起こしヒネリての勝。
知恵ノ矢阿武松は、諸手を当て突き入らんとせしを、土俵際にてヒネリ知恵の勝。
剣山一ノ矢は如何あらんと思ううち、力士は丁寧に立上り左四ツは上手ミツを引いて一二度投げを打ちしが、も流石にこれを残し直ぐ下手投となりて互いに金剛力を出して揉合しが、水入りしのち二三度投を打ち取疲れて引分。
鬼鹿毛龍門は、左四ツ合掌首投げにての勝。
千羽ヶ嶽常陸山は、右差しヨリて常陸の勝。
平ノ戸上ヶ汐は、左差しヨラんとするを敵の首に右手を巻き足カラミに引しを、釣出しての勝。
司天竜阿武松は、立上り司天は突然ハタキ込まんとせしを、残したるより突出して司天の勝。
八幡山綾浪は、左四ツ八幡は上手右を引きヨラんとするを、は何んと思いしか棄て身となりしを外掛けモタレ込んで八幡の勝。
鞆ノ平西ノ海は、立上り左差しにて攻めんとせしを西これを絞りてヨラんとアセリしが、巻き替え二本差しヨリ返したるとき踏切りありての勝となり打出したり。
・此の日、達ノ矢芳ノ山伊勢ノ濱若湊谷ノ音白梅真力黒雲の休み及び大鳴門海山嵐山等の欠勤ありければ観客はすこぶる不平の体にて、かくの如き有様はつまり同社会の不利益なりなど呟きたる人ありしは道理なり。

幕内力士にとっては最終日となる9日目ですが、休場者が多いというのはたびたび見られる傾向です。中にはズル休みの力士もいるのかも知れません(;・ω・)剣山と一ノ矢の頂上決戦は引き分け、このため幕内最優秀成績は新入幕の小錦となりました。当時は優勝とか最優秀力士という概念が無かったので表彰等はありません。優勝制度があれば剣山と一ノ矢は両者もっと思い切って勝負を賭けて白黒ついていたかも知れませんね。元小結の高千穂は年寄玉ノ井となって引退しました。

明治21年夏場所星取表

西前頭1・玉ノ井敬兵衛

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/23 23:10】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治21年夏場所8日目 (毎日新聞/明治21.5.23)

○回向院大相撲
・昨日八日目は黒田総理大臣、山田司法大臣、蜂須賀侯爵、野村子爵、安藤綿貫等の各元老院議官をも見受けたり。
芳ノ山鬼鹿毛は、いづれも巧者同士なれば目覚しき働きこそあらめとの評の如く、立上るやは無残に突掛けたるをは左差しとなり投げを打たんとせしを、上より極付け小手投げを試みしも残して競り合い、引落して鬼鹿毛の勝は感心。
阿武松千羽ヶ嶽は、突合い押切りて阿武の勝。
柏戸緋縅は、立合い押出して柏戸の勝。
綾浪司天龍は、当日第一の角觝なれば勝負如何と思ううち力士は無造作に仕切り立合い、は左差し右をアテ寄らんとせしをは敵の差し手を引張りトッタリを打ちしが残り、渡込んで司天の勝。
上ヶ汐八幡山は、左四ツ釣出して八幡の勝。
鞆ノ平若湊は、立合いは例の突張りに行かんとせしを流石老練のなればこれを外し右四ツにて、再び突張りしを寄せ返しヨリ切りの勝、然るにのヨリ来るとき棄て身となりたるゆえ己れは充分極りしならんとて土俵を下る様子もなくしきりに苦情を唱え居りしが、検査役行司等が到底苦情を起すべきにあらずと説諭し其のまま悄然と下りしは不感心の事に思わる。
一ノ矢大鳴門は、立合い鳴門は左手敵の前袋を引き右手をハヅに構いヨランとするを、右上手にて相手の前袋を取り左にて巻込み、揉合ううち水入りしのち攻め合い引分。
達ノ矢平ノ戸は、丁寧に仕切り立上りは右をハヅに当て突張らんとせしを外し突合い蹴返しての勝は大受け、は手先の強き力士なるも腰の弱き為めにや前日の八幡にも足クセにて敗を取りしゆえ、少しく注意せばかく脆くは負けざる者を、と溜りでの評は当たれりと云うべし。
今泉響矢は、左四ツは一寸蹴タグリしが残り、合四ツ互いに釣合い釣出して響矢の勝。
黒雲伊勢ノ濱は、立合い二本アテ寄り行く所を引き落したるが、これを残して左四ツは妙に合掌となりてスクワンとせしを付け入り、ヨリて伊勢の勝。
小錦真力は、左差し右足内ガケにてヨリ倒し小錦の勝。
常陸山知恵ノ矢は、突出して常陸の勝。
西ノ海剣山は、左四ツ揉合い水入りてのち釣合い、取り疲れ引分にて打出したり。

大達、高島氏に易断を請う
・力士大達は来月中旬北海道へ出稼ぎするつもりなるも、今日の体格にては如何あらんと心配の末、兼ねて愛顧を受くる高島嘉右衛門氏に書面を以て自分が以前の体格力量に回復すべきや否やを占われたし、と頼み送りしよし、易の卦が何んと出るものか当人にとりてはさぞかし返事の気遣わるる事なるべし。

若湊はまた自分の相撲への物言いです。ちょっと無理があるようですね(;・ω・)黄疸で長期休場中の大達は回復が不十分のようですが、生活のためには巡業をしないといけません。当時の著名な占い師に手紙まで書いていますね。本場所は2場所連続休場しているので、そろそろ大関の地位を明け渡すことになりそうです。
高島嘉右衛門(ウィキペディア)

明治21年夏場所星取表

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/21 23:07】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治21年夏場所7日目 (毎日新聞/明治21.5.22)

○回向院大相撲
平ノ戸黒雲は、立上りは右差しとなりてヨラんとするを、は絞り極出さんと意気張りしも残されしかば土俵際にて振出さんとするを、エンヤと残りて揉合い水入りしのち攻合い引分は好し。
伊勢ノ濱常陸山は、左四ツにつがい互いに投げを打ち小手投げにて常陸の勝。
司天龍小錦は、の元気なるも相手が流石巧者の司天なれば或いは敗を取るならんかなど素人評も中々に喧しかりしが、両力士は仕切るや否な立上り司天は得意の右を差さんとせしを、押えながら一突にての勝は実に彼の技量と力量とに驚かざるものなし。
達ノ矢八幡山は、客年所々の花相撲にて互いに其の技術を心得居ればいづれも不気味の気色なく、これはしばらくとでも云いそうな面体にてありし、さて力士は丁寧に仕切り立上り、左四ツにて揉合いしがは右にて敵の上手廻しを引き釣出さんと体を寄せたるに、得たりや応と足クセモタレ込んで八幡の勝は満場大喝釆なりき。
西ノ海鬼ヶ谷は烈しく突合い、突張りて西の勝は実に元気なる事に思わる。
剣山嵐山は、は兼て注文のありしにや中々に立上らず、同力士にして斯く丁寧に仕切りしはいよいよ技量を振るわんとの下心なるべし、と溜りでの評もありしが、立上りは得意の右を差し来りしを、は防がずしてかえってお出でと招きし如き様にてあれば、敵は思いのままに差したるをエンヤと腰を預け首投に行きし時、の体は実に危うかりしが差し手を外してこれを残したるにぞ、は其のままヨリ足クセにてスクわんとせしも極らず、左四ツ揉合ううち上手を引き、釣出しての勝は大受け。
緋縅阿武松は、ヨリ切て阿武の勝。
高ノ戸芳ノ山は、突掛け来るを突返しての勝。
梅ノ矢千年川は、右を押え襷に抜けての勝は感心。
知恵ノ矢柏戸は、右四ツは無残に寄らんと攻め行き土俵際にて外掛けモタレ込まんとせしも、スクイ投にて知恵の勝。
真力綾浪は左四ツ、ヨリての勝。
千羽ヶ嶽上ヶ汐は、立上りは右を差したるを引張込んでためらううち、引落しての勝。
大鳴門若湊は、観客の待ち設けたる相撲なれば如何あらんと思ううち、エンヤと突出すの片手突きに鳴門はマッタと溜りへ下りしが、右の突手のため上歯一枚ブラブラとなりしかば、相撲中止を為さんと云う、検査役はこれを閲了し西溜りの力士に談じたるに、上ヶ汐は角觝の後取疲れ水入りとなりて逃げ出す力士あり鳴門はそれとは事変われどさしたる事もなからん是非取結ばせるこそよからん、と主張せしより高砂浦五郎鳴門の痛所を検しなお上ヶ汐に談判せしこと数回にして止めとなりしは遺憾なりき。
鞆ノ平一ノ矢は、エンヤと突掛け行きし時、は斜に身をソラしマッタマッタまづマタレヨと例の滑稽に観客の受けよく毎度ながら愛嬌ものサ、さて力士は立上りは右を当てヨラんとせしを、は首投げを試みしが極らず、突落しての勝にて打出したり。

剣山は苦戦しながらも全勝キープ。大鳴門は歯が折れてしまって勝負中止、珍しいケースですが立ち合い成立前の勝負中止なので星取上は「や」となっています。力士にケガは付き物とはいえ、本当に大変ですね。控え力士の発言力の強さは現在とはかなり違いますが、特に上ヶ汐ほどのベテランとなると尚更でしょうか。

明治21年夏場所星取表

東前頭5・司天竜政吉

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/20 00:23】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治21年夏場所6日目 (毎日新聞/明治21.5.22)

○回向院大相撲
一昨日六日目は日曜にて殊に好天気なれば観客すこぶる多く、其のうち森文部大臣を始め蜂須賀公使、徳川公爵、吉田子爵、川村伯爵、安藤元老院議官、陸海軍将校方をも見受けたり。
九紋龍緋縅は、左差し付け入りしが土俵際にてヒネりながら体を変じ、ヨリテの勝は大出来。
黒雲梅ノ矢は、左差しにて攻め付るをは防ぎながら首投げを打たんとするうち、諸差し釣出しての勝。
千年川鬼鹿毛は、立上り左差し突き付けしを絞りながら得意の首投げに行きしが、敵はこれを残し渡込んで千年の勝。
柏戸千羽ヶ嶽は、立上るやは右差しとなりしをは泉川にて絞り無頓着にも外掛けと出掛け、かえって己れの体浮きしかば敵は得たりと付入り、ヨリての勝。
小錦真鶴はドンナ相撲にならんかと観客はいづれも気遣い居るうち力士は丁寧に仕切り立合い、左四ツにてタジタジと相手を土俵際まで攻め付しに、流石巧者のなればエンヤとコタエ棄て身になりしを、乗せられてなるものかと一寸体を落し右にて上手ミツを引上げ見事釣出しての勝は如何にしてかく怜悧に角觝いするかと他力士中にて彼の働きを賞し居たり。
上ヶ汐真力は、ヒネリて真力の勝。
嵐山八幡山は、毎度の引分なれば今日こそいづれか勝を得るならんと思ううち立上り、左四ツ攻合い水入りて後二三度互いに揉合い引分は観客すこぶる不満足の体なりし。
綾浪大鳴門は、左差し無残に土俵際まで攻め付しには最早これまでなりと棄てバチに首投に行きたるを残し、首を敵の胸板に預け押し切りて鳴門の勝は是非もなし。
一ノ矢鬼ヶ谷は、例の突掛けに行きしもすでに同力士の突掛は他力士の容易く避けらるる事となりて、はこれを外しながら反て突張りの勝、時には体を転じ、まんざらそれなり土俵を飛出す訳にも行かざるより一寸と一本背負と出掛けしが、極らずして突出されしは愛嬌。
今泉大纒は、左差しヨリ行くうち左四ツにて揉合い、は右上手を引いて出投げを試みしが、残りて大相撲となりし際は満場拍手喝釆にて互いに秘術を尽くし取り結び、水入りてのち攻め合いとなりしに再び拍手の声四方に喧しく、力士は一生懸命になり角觝いしが、取疲れ引分は当日第一の見物なりき。
芳ノ山知恵ノ矢は、右四ツスクイ投にての勝。
阿武松伊勢ノ濱は、押切て阿武の勝。
常陸山平ノ戸は、ヨリての勝。
達ノ矢鞆ノ平は、は何か注文のありし如く思われしが、立上り二三合突き合い手四ツとなりて睨み合ううち、は解きて巻込まんと付け来るをハタキ込みしが、もこれをエンヤと残したるを押ツブしての勝。
西ノ海司天竜は、右差しとなりしを西は左で掻い込み右手をハヅに行き、押出して西の勝。
若湊剣山は、立上りは得意の突張りに行きしを突落しての勝、時にに踏切りありとてより苦情起りしも、味方の力士及び行司も引込みしかば苦情の立たざるは気の毒の事なりし。

○力士ウエブスター
・米国力士ウエブスターの一行は、目下和歌山県下に滞在し興行の儀を願い出でたるも、許可せられざるに付き近々岐阜、石川地方へ赴き興行を出願する筈なりと。

伝わっている話によると、この日の嵐山(あらしやま)と八幡山(やはたやま)の取組中に八幡山のヒザ関節が外れてしまい、嵐山はそれを支えるような体勢で動かず引き分けに持ち込んだといいます。手負いの相手に対してとどめを刺さない男気に感心した八幡山は、その後は常に嵐山戦では勝ちに行かず引き分けになった・・との事ですが、記事からは読み取れませんね。この2人の取組が白黒つかないのは既に毎度のことになっていたようです。大相撲と関係ありませんがアメリカからレスラーが来ていますね、まだ日本人には受け入れられない様子です(;・ω・)

明治21年夏場所星取表


東前頭4・八幡山定吉

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/19 01:26】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治21年夏場所5日目 (毎日新聞/明治21.5.20)

○回向院大相撲
・昨日の五日目は前日に倍したる大景気にて、実に立錘の余地なき入なりし、貴顕中には伊藤枢密院議長、西郷海軍大臣、野村逓信次官、芳川内務次官、林、安藤の二元老院議官その他徳川公爵等の方々をも見受けたり。
芳ノ山平ノ戸は、いづれも若手元気の力士なれば無造作に立上り、は得意の左を差し右にて攻行かんとせしを、平は攻め手を防ぎながら蹴返したるを残しはヨリながら渡込まんとせしも、敵はイヤダと逃げんとせしをすかさず付入りヨリての勝。
真力常陸山は、二本差しにてヨランとせしに、はこれを絞り一寸とスクイしが残り、離れて右四ツ揉合い水入りし後、攻め合い取り疲れ引分。
若湊知恵ノ矢は、立上りは無残に突掛ケ行くをは土俵際にて防がんとせしも、突出しての勝。
鞆ノ平阿武松は、いづれも愛嬌ある力士にて化粧立の滑稽は毎度ながら観客を喜ばしめたり、さて立上るや突合い手四ツとなり暫時睨み合いしが、突放して右四ツになり、阿武出し投を試みしが残り、揉み合い水入りてのち攻合い取り疲れ引分は好し。
真鶴西ノ海は、かつて見ざる番いなれば互いに不気味と見え、いと丁寧に仕切りて立上りは右差し左手を働かさんとせしを、得たりと西は引張り込み例の泉川にて絞りければ、はイタイと顔を撲め手強く突放さんとせし時、自然体の廻りたるより送り出して西の勝。
剣山綾浪は、右を当て押切りての勝。
緋縅龍門は、の左差しをが撓めしより敵は出投に行きしも残され、諸差と変じて攻行くをは諸に絞りて競ううち水入り、のちはヨラんと攻行きエンヤと堪えしを引落しての勝、この時はコロコロと転げ土俵で止まり起上りし様は達磨の綽名に背かずと溜りでの悪口。
鬼鹿毛黒雲は、はしきりに突掛け行きしが極らず、二本差しとなりしを敵は諸に絞り揉合いしが、は右手を解いて敵の首に当てながら振出さんとせし時、付入りヨリての勝、時に東溜りの千羽ヶ嶽などより苦情出でしが検査役にて採用せざりし。
千羽ヶ嶽千年川は、左四ツ千羽は釣上ゲ極めんとせし際、見事棄身にて千年の勝。
伊勢ノ濱柏戸は、右差し外掛けモタレこんで柏戸の勝。
司天龍達ノ矢は見物の待ち設けたる相撲なれば、力士の上るや場内のどよめき大方ならず、さて力士は丁寧に仕切り立上り司天は得意の左差しとなりて右手を働かさんとせしかば、はこれを防ぎ逃げんとせしを、付入りヨリて司天龍の勝は呆気なし。
鬼ヶ谷小錦は、立上りは遮二無二敵の諸手を引張り、引落さんとせしを其のまま付入り突出しての勝。
大鳴門上ヶ汐は、立合いに上は左を差せしを鳴門は一寸と当て左四ツ離れて突合い、鳴門右差しとなりしをは引張り撓め出さんと競ううち、引落して鳴門の勝。
八幡山一ノ矢は、左差しヨラんとせしを八幡はこれを絞り足を入れ、右手にて例の首投に行きたるもツブレての勝にて打出したり。

大関剣山、関脇一ノ矢が安定した相撲で全勝。人気力士の鶴ヶ濱は兄弟子大鳴門の旧名を継いで司天竜(してんりゅう)と改名していますが、快進撃中の達ノ矢を見事に止めてみせました。

明治21年夏場所星取表

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/11 12:51】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治21年夏場所4日目 (毎日新聞/明治21.5.17)

○回向院大相撲
・昨日四日目は中々の大景気にて、貴顕中には黒田内閣総理大臣、吉井副島二枢密顧問官をも見受けたり。
勢力鬼鹿毛は、左四ツ互いに右手を首に巻きは一ツ投げを試みしが、残してスクイの勝。
黒雲緋縅は、二本差しにてヨリ行くをは諸に絞りヨリ返さんとする時、スクイ投にて見事の勝。
芳ノ山千羽ヶ嶽は、二本差し下手投にての勝。
達ノ矢鬼ヶ谷は、いづれも初手合いの事にて力士は何んとなく不気味の様子なりしが、丁寧に仕切り立上るやは素早く右を差して付け来るを、引掛けたるに相手はこれを残し手四ツとなりて睨み合いしが、は勝手悪しと解きながら再び右を差さんとする時、再び引掛け預けて見事にの勝は場内の喝采暫時鳴り止まざりき。
上ヶ汐知恵ノ矢は、右を差したるを上手ハヅにて攻合い、ヒネリての勝。
千年川海山は、立上りは右を差しは得たりと引張り込み泉川にて絞りしより、敵は金剛力にてヨラんと攻め付けたる時、はこれを捨てんとせしが極らずして千年の勝は僥倖。
嵐山真鶴は、巧者同士の相撲なれば面白からんと思ううち早くも立上り、は右を差したるをは止むを得ず引張り込んでこれを撓めたるより、は身を屈め差し替えんと付け入りしを、得たりや応と渡し込みての勝は巧者と云うも余りあり。
柏戸大鳴門は左四ツ、ヨリ切りて鳴門の勝はさもあるべし。
一ノ矢司天龍は、突合いヨリ切りての勝。
小錦平ノ戸は、去る一月以来非常な元気にて当時日の出の勢いなれば、両力士の土俵に上るや各自贔屓の力士を呼び或いは援声をあげるなど中々の騒ぎなりき、さて力士は立上り左四ツにて捲合ううち早くもが捲き落して勝なりしと思いしに、物言い付て預りとせしはが捲きし時同体流れたるより、かく苦情の起りしなるが仕掛けし相撲にて見事その体に乗せたる上は全くの勝と云うも不可なかるべし。
綾浪伊勢ノ濱は左四ツ、ヨリながらスクイ投にての勝。
若湊真力は、右差し押切りての勝。
常陸山鞆ノ平は、右四ツにて揉合ううち常陸は一寸とスクイながら引廻したるも残され、再び攻合いヨリ切りての勝なりしと思いしに、西溜りの若湊阿武松は行司を呼び、すでに常陸がスクイながら引廻したる時に踏切りありしかば、最早勝負の決したりと声を掛けたる内かの有様となれり、しからば常陸の勝なりと云う所より一条の紛議を生じ、行司は検査役東西の力士に協議し、ついに預りとなりしは常陸の不幸と云うべし。
西ノ海八幡山は、かねて八幡西のにが手な取組なれば西の及ばざるべしと推測せしが、両力士は念入りて立合い、八幡は右を差したるを西は例の泉川にて極めんとする時、八幡は右手にて敵の前袋をつかまんとヨリ来たるを機会に、見事ウチャッて西の勝は大喝采。
阿武松剣山は、突出しての勝にて打出したり。

新進力士が多く人気も上々の大相撲、休場していたベテラン大鳴門と上ヶ汐がこの日から出場して元気な相撲を見せています。小錦は勝ちに近い内容での預かり相撲、これが無ければ新入幕で9戦全勝という快挙が達成されていたかも知れません。

明治21年夏場所星取表

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/05 09:51】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
明治21年夏場所3日目 (毎日新聞/明治21.5.16)

○回向院大相撲
・昨日三日目は大景気にて、副島伯その他の貴顕方をも見受けたり。
平ノ戸綾浪は、当日第一の取組なれば場内は何んとなく騒がしかりき、さて力士は無造作に仕切りエンヤと云いざまは左を差さんと付け行きしに、は化粧立ちのつもりにて一寸とあとびさりし時踏切りありしに、行司は己れに気合の充分入りしかばは無論立ちし事なるべしとて団扇をの方に掲げたるより一場の紛議を生じ、は化粧立もし立たんとならばあとづさるいわれなしとて中々土俵を下りざるにぞ、検査役行司等種々協議の上ついに預りとなせしは観客の失望また知るべし、もしこれをして再び組合せなば同社会のためかえって利益あるべしと、或る好角家の評あり。
真鶴常陸山は、立上り二三度はね合う内スカサズ突出して常陸の勝は、あるいはに立ち後れありしやに思わる。
八幡山若湊は、八幡右を差さんと付入りしをはこれを撓めんと揉合ううち、素早く左手を首に当て見事首投げにて八幡の勝、かくの如き烈しき働きは同力士の専有にて他力士の及ばざる八幡の長所と云うべし。
海山小錦は、立上りは右を差したるにはこれを撓めながらヨラんとするを振り払いて鋭くが突掛けしに、の体ほとンド危かりしが残して右四ツとなり、上手にて振りしのち釣出しての勝は壮なる事なり。
伊勢ノ濱西ノ海は、立上り西は左を差しスクイ投げを試みしが伊勢も老練なればこれを残し、ためらう内ヨリ切りて西の勝。
剣山千年川は、千年掴まりては勝を得ざるべしとて突掛けては逃げ廻りては突張りしが、ついに突出して剣山の勝。
鬼鹿毛達ノ矢(西京一ノ矢)は、立合いには無二無三と突張り行くをは右差しとなりしかば、は首役げを試みしもスクイ投にての勝。
緋縅勢力は、二本差し押行きしをは諸にこれを絞り防ぐうち、外掛けモタレ込んで勢力の勝。
千羽ヶ嶽黒雲は、左を差したるをは得たりと引張り込んで泉川に極めんとアセリながら士俵を廻りし時、渡込んでの勝。
知恵ノ矢阿武松は、右四ツにて揉合い水入りしのち前の如くつがい攻合い、取り疲れて引分。
鬼ヶ谷芳ノ山は、いづれも烈しき力士なれば難なく立上り、突合ううち引廻し突張ての勝、その早きこと電光石火もかくやと思われたり。
司天竜嵐山は、立上りは遮二無二押行くとき、は一寸とヒネりしもすでに土俵際に来たりければ、もうこれまでなりとて棄て身となりしが早くも外掛けモタレ込んで司天の勝。
鞆ノ平柏戸は、押出しての勝。
真力一ノ矢は、突出しての勝にて打出したり。

化粧立ちとは初めから待ったをするつもりで立ち上がることですが、勝負が進行してから待ったというケースが増えているため揉め事につながっています。次回同じ対戦を組めば因縁の対決として客を呼べるという意見もありますが・・預かり相撲に対するファンの失望は大きいようです。新加入の達ノ矢は今日も快勝です。

明治21年夏場所星取表

テーマ:大相撲 - ジャンル:スポーツ

【2007/03/04 14:19】 | 大相撲 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。